――鈴木選手は移籍を経験されています（13～14 年は東京Vに所属）。
 
鈴木　自分にとって絶対にプラスになると思い、決断しました。実際に周りの人からも「変わったね」と言ってもらえることが増えました。
 
城後　あの移籍を経験して惇は、周りを見られるようになった気がします。本人がどう感じているか分かりませんが、自分を客観視できるようにもなった。
 
　移籍前はイラッとすると、口や態度に出ることが多かったけれど、昨年に帰ってきてからはそういったことは一切ないですし、何事も冷静に、話し合いで解決しようとしている。僕も、惇は移籍して正解だったと思います。
 
鈴木　城後さんは福岡一筋ですからね。監督が何度も変わって、浮き沈みも激しかったなかで、ずっとクラブの中心に居続けている。移籍を経て成長する選手はたくさんいますが、ずっと同じチームで成長を続けられる選手はそう多くはいませんからね。これは本当に凄いことです。
 
――鈴木選手に対して、城後選手がさらに求めることはありますか？
 
城後　もっと足が速くなったらな。
 
鈴木　どうしようもないわ（笑）。
 
――開幕戦の２失点目のシーンで、ボールホルダーを必死に追いかけていた姿が印象的でした。
 
鈴木　それ、ちょっと馬鹿にしていませんか？（笑）
 
城後　だけどスピードが足りない分は、ポジショニングなど、頭を使って上手くカバーしているよ。
 
――愛する福岡を”エレベータークラブ”にしないためにも、J１復帰１年目の今季の戦いは、非常に重要になると思います。
 
鈴木　まさにその通りです。ただ、いかにJ１といえども、10回やって１回も勝てないチームはありません。なんとか相手の長所を消して戦えば、ビッグクラブを向こうに回しても２、３回は勝てるはず。そのためには、ピッチに立つ11人が頑張るのはもちろん、ベンチ入りメンバー18人、さらにスタッフ、サポーターが一丸となることが大切です。
 
　勝利への道筋（＝戦術）は井原（正巳）監督が考えてくれるので、僕たちに求められるのは「本気で勝ちに行くんだ」という心構え。クラブと街全体が一枚岩になって戦えば、良い結果が出せると信じています。
 
城後　３番手として昇格したわけですから、J１のすべてのチームが僕たちより上だと考えています。だから惇が言ったように、チーム一丸となって、気持ちを前面に押し出して戦わないと絶対に勝てない。ビッグクラブとの対戦では、それだけで多くを学べると思いますが、そこで勝てれば相当な自信が得られる。
 
　開幕戦でも強く感じましたが、まずは気持ちで相手を上回らないと、勝点３は決して掴めないんです。