恩人コルビーノへの感謝の気持ちは今も――。

15年3月28日のブルガリア戦では、デビュー戦ゴールの快挙を達成。帰化選手招集に対する批判の声に、見事に結果で応戦した。(C)Getty Images

2016年1月28日にはインテル移籍が決定。3日後のミラノ・ダービーデビューを飾った。新天地でいかなるパフォーマンスを見せるのか注目だ!(C)Alberto LINGRIA
翌シーズンもコンスタントな活躍を見せたエデルに嬉しい知らせが届いたのは今年3月。イタリア代表に初招集されたのだ。
セレソンへの夢を捨て、アッズーリ史上43人目の帰化選手となったエデルは、3月28日のブルガリア戦(EURO予選5節)で58分からピッチに立った。
すると、1点ビハインドの84分に試合を振り出しに戻す(2-2)起死回生のミドルを叩き込む。チームの窮地を救う鮮烈なデビューだった。
エデルは試合後、招集の際に起こった「帰化選手に頼るな」という批判に対し、笑顔でこう言い返した。
「このゴールは、帰化選手を批判していた人たちに捧げたい。代表デビュー戦で得点できるなんて、俺は最高の幸せ者だよ」
ブラジル代表の名手の名前を授けた父エロイも、息子のイタリア代表入りを喜んでいる。
「ブルガリア戦でのゴールは、言葉にできないほど嬉しかった。あの子がセレソンを目指したことはなかったよ。もう移り住んで10年になるし、イタリアで成長した。今ではイタリアを自分の家だと思っているんだ」
今シーズンも12節終了時点で得点ランクトップタイの9ゴールを挙げるなど、好調を維持している。今やペッレと並んでアッズーリFW陣の主軸となり、来年6月のEURO出場が確実視されている。
ちなみにコルビーノは、叶わぬ願いと知りつつ、今夏の移籍市場でエデル獲得を試みた。競合相手と目されたのは、大型補強を進めるインテル・ミラノだった。
今のエデルが、昇格クラブであるボローニャの手が届くような選手ではないことを誰よりもよく知るコルビーノの淡い期待は、案の定、実らなかった。
エデルとコルビーノがブラジルで初めて出会ってから、12年の歳月が流れた。今でも、お互いの姿を見かければ親愛のハグを交わす。
エデルは決して忘れていないのだ。イタリアへの道を開いてくれた恩人、コルビーノへの感謝の気持ちを――。
文:弓削高志
【エデルのROFILE】
●フルネーム/エデル・チタディン・マルティンス
●生年月日/1986年11月15日
●身長・体重/178cm・74kg
●クラブキャリア
2005 クリシューマ(BRA2部):1試合・0得点
05-06 エンポリ(ITA):0試合・0得点
06-07 エンポリ:5試合・0得点
07ー08 エンポリ:0試合・0得点/フロジノーネ(ITA2部)*:19試合・6得点
08-09 フロジノーネ(ITA2部)*:33試合・14得点
09-10 エンポリ(ITA2部):40試合・27得点
10-11 ブレッシャ(ITA)*:35試合・6得点
11-12 チェゼーナ(ITA):17試合・2得点/サンプドリア(ITA2部)*:15試合・4得点
12-13 サンプドリア(ITA):30試合・7得点
13-14 サンプドリア:33試合・12得点
14-15 サンプドリア:30試合・9得点
15-16 サンプドリア:19試合・12得点/インテル:1試合・0得点
●イタリア代表歴/7試合・2得点
●イタリア代表デビュー/2015年3月28日(ブルガリア戦)
※記録は2016年2月1日現在。*=レンタル
※ワールドサッカーダイジェスト2015.12.03号より加筆・修正
セレソンへの夢を捨て、アッズーリ史上43人目の帰化選手となったエデルは、3月28日のブルガリア戦(EURO予選5節)で58分からピッチに立った。
すると、1点ビハインドの84分に試合を振り出しに戻す(2-2)起死回生のミドルを叩き込む。チームの窮地を救う鮮烈なデビューだった。
エデルは試合後、招集の際に起こった「帰化選手に頼るな」という批判に対し、笑顔でこう言い返した。
「このゴールは、帰化選手を批判していた人たちに捧げたい。代表デビュー戦で得点できるなんて、俺は最高の幸せ者だよ」
ブラジル代表の名手の名前を授けた父エロイも、息子のイタリア代表入りを喜んでいる。
「ブルガリア戦でのゴールは、言葉にできないほど嬉しかった。あの子がセレソンを目指したことはなかったよ。もう移り住んで10年になるし、イタリアで成長した。今ではイタリアを自分の家だと思っているんだ」
今シーズンも12節終了時点で得点ランクトップタイの9ゴールを挙げるなど、好調を維持している。今やペッレと並んでアッズーリFW陣の主軸となり、来年6月のEURO出場が確実視されている。
ちなみにコルビーノは、叶わぬ願いと知りつつ、今夏の移籍市場でエデル獲得を試みた。競合相手と目されたのは、大型補強を進めるインテル・ミラノだった。
今のエデルが、昇格クラブであるボローニャの手が届くような選手ではないことを誰よりもよく知るコルビーノの淡い期待は、案の定、実らなかった。
エデルとコルビーノがブラジルで初めて出会ってから、12年の歳月が流れた。今でも、お互いの姿を見かければ親愛のハグを交わす。
エデルは決して忘れていないのだ。イタリアへの道を開いてくれた恩人、コルビーノへの感謝の気持ちを――。
文:弓削高志
【エデルのROFILE】
●フルネーム/エデル・チタディン・マルティンス
●生年月日/1986年11月15日
●身長・体重/178cm・74kg
●クラブキャリア
2005 クリシューマ(BRA2部):1試合・0得点
05-06 エンポリ(ITA):0試合・0得点
06-07 エンポリ:5試合・0得点
07ー08 エンポリ:0試合・0得点/フロジノーネ(ITA2部)*:19試合・6得点
08-09 フロジノーネ(ITA2部)*:33試合・14得点
09-10 エンポリ(ITA2部):40試合・27得点
10-11 ブレッシャ(ITA)*:35試合・6得点
11-12 チェゼーナ(ITA):17試合・2得点/サンプドリア(ITA2部)*:15試合・4得点
12-13 サンプドリア(ITA):30試合・7得点
13-14 サンプドリア:33試合・12得点
14-15 サンプドリア:30試合・9得点
15-16 サンプドリア:19試合・12得点/インテル:1試合・0得点
●イタリア代表歴/7試合・2得点
●イタリア代表デビュー/2015年3月28日(ブルガリア戦)
※記録は2016年2月1日現在。*=レンタル
※ワールドサッカーダイジェスト2015.12.03号より加筆・修正