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浦和レッズの元守護神、山岸範宏が探求する“GKコーチの理想郷”。大事にしている恩師オフトの戒め

カテゴリ:Jリーグ

河野正

2022年09月07日

慢心と満足を慎み、どん欲であれ――

闘志みなぎる佇まいは現役時代さながらだ。写真:河野正

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 さいたま市の自宅に妻と3人の子どもを残し、御殿場市時之栖の専用寮で暮らす。欠かせない日課がキック練習と筋トレだが、「僕が際どいコースに鋭いボールを蹴らないと、選手が納得しないんですよ」と笑う。練習の準備や指導陣によるミーティングの後、午後3時から2時間ほど練習し、夜はGKとセットプレーの映像を編集して次戦の対策を練る。

 毎日が勉強で、指導者と接しては知識を蓄積。在籍時期は違うが、大宮アルディージャU18の荒谷弘樹GKコーチは浦和時代の先輩で、会えば質問や情報交換もする。その荒谷コーチは「教え方って人それぞれですが、私も他の指導者の意見を参考にします。個人的には選手の社会性、人間性を育むことも心掛けています」と述べたように、どのコーチも勉強と模索を重ねている。

 昨年、S級に次ぐ指導者資格のA級ジェネラルを取得した。この8月には、広島であったU-17日本代表の大会にGKコーチとして参加。U-19日本代表コーチを兼務する船越監督からも、「これまでたくさんのことを学ばせてもらった」と指導者として敬慕する。経験を重ねてコーチ学に磨きを掛けている最中だ。
 
 現役時代の山岸は、秀逸なGKの長所を融合させた選手になろうとした。今は大勢のGKコーチの良さを吸収し、応用の利く指導者を目指す。野心は日本代表GKコーチになってワールドカップに出場することだが、身近な目標は、監督が求める理想的なGKを育成することにある。

「攻守において効果的にチームにかかわれるGKを育てたい。どんな監督の下でも、どんな戦い方になっても適応能力に優れ、なんでもこなせる万能なGKを輩出したいですね」

 浦和時代の恩師、ハンス・オフト監督から「喜びに浸るのは引退してからだ。現役中は慢心と満足を慎み、どん欲であれ」と諭された。山岸は引退した今でもこの戒めを守り、第2の人生を歩む教訓にしている。

取材・文●河野 正

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