――レオ・シルバ選手は、もともとどちらのボランチだったのですか？
 
「育成のカテゴリーにいる時から、セグンド・ボランチとして指導を受けました。ですから、まず求められたのは攻撃参加の部分です。逆にマークの技術は、今ほど備わっていなかった。マーキングに関しては、ここ数年、進化した部分です」
 
――その進化に、Jリーグでのプレーは影響していますか？
 
「もちろん日本でプレーすることによって、ボランチとしてさらに良くなっているのを感じます。その意味で新潟の柳下（正明）監督、コーチングスタッフには感謝していますし、Jリーグはブラジルに比べてゲームの展開が非常にスピーディで、それだけタフなところがあります。
 
　また、日本人選手のプレーは非常にダイナミックでもある。そうすると、自ずとマークする厳しさも増すわけです。私自身はいかなるサッカーに対しても、しっかりと準備するようにしてきました。対戦相手を分析し、学習する。その姿勢は、例えばヨーロッパやブラジル国内のビッグクラブに移籍しても、変わらないでしょう。そうやって自分のプレースタイルは進化していったはずです。
 
　もっとも、ブラジルにいる頃から、マーキングは意識するようにはしていました。なぜかというと、ブラジルでプロとして生き残っていくために、マーキングを武器にすることで、他のボランチと差を付けようと考えていたからです」
 
――レオ・シルバ選手が言うマーキングには、ボールを奪うという部分も含まれているわけですね？
 
「マーキングで際立つために、まず取り組んだのが、相手との間合いをどんどん詰めていくことでした。そしてボランチとしてもうひとつ上のレベルに行くために、『詰めるだけでは不十分だ、ボールを奪わないと』と考えるようになったんです。そして今のスタイルにつながるわけですが、まさにそこが、みなさんが私のプレーに興味を抱いてくれるところだと思います。間合いをグッと詰めて、ボールを奪い切る。それがボランチとしての私の大きな特長です」