【東アジアカップ総括】史上初の最下位に見た、かすかな光明と根本的疑問

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェスト編集部

2015年08月10日

新戦力の発掘なら、U-22代表でも良いのでは?

新戦力を発掘するのであれば、U-22代表中心のメンバー構成でも良かったのではないか。日程面に加え、大会に向けた姿勢への根本的疑問が拭えない大会だった。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 世代交代が求められるボランチの人材が台頭し、不振の香川の尻を突く新戦力もアピールした。長期離脱が予想される内田の穴埋めとして、ある程度計算できるバックアップの見極めも進んでいる。“B代表”で挑んだ今大会で、こうした次につながる材料を得られたのは、ポジティブに捉えてもいいかもしれない。彼らが今後、欧州組を脅かすような存在になれば、選手間の競争力は上がり、チーム力の底上げにもつながるだろう。
 
 とはいえ、正直に言えば、この大会自体の位置付けに疑問も残る。そもそも、無理のある強行日程を組んでまで、東アジアカップに欧州組不在の“B代表”を派遣すべきなのだろうか。新戦力の発掘がテーマならば、いずれ何人かがA代表に食い込んでくるU-22代表でも良いはずだ。仮にU-22代表よりも上の年齢で見たい選手がいれば、彼らをオーバーエイジ的な扱いで組み込み、ハリルホジッチ監督が指揮を取ればいい。
 
 手倉森監督率いるU-22代表は、来年にリオ五輪の最終予選がある。にもかかわらず、7月のコスタリカ戦を最後に公式戦が組まれておらず、強化は足踏み状態だ。A代表における新戦力の発掘と世代別代表の強化という“一挙両得”を考えても、U-22代表を派遣するほうが後のリターンは大きい。リオ五輪世代の遠藤が最もアピールしたひとりだったのも、その想いを強くさせた理由のひとつだ。
 
「日本のフットボールは、この問題について疑問を持たなければならない」
 
 口を開くたびに日程に注文をつけていたハリルホジッチ監督の言葉は、単なるエクスキューズではない。必要以上に擁護しようとは思わないが、やはり我々も疑問を抱くべきなのではないだろうか。
 
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)
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