――ヴィッセル神戸というチームの可能性をどう感じていますか?
「毎日の練習でクオリティの高さやプレーの継続性を感じています。こういう練習を365日やることでシーズンの最後にはすごいチームになるだろうなと感じていますし、すばらしい結果が待っていると確信しています。加入してまだ間もないですが、すごく充実した時間を過ごせていますから」
――イニエスタ選手と一緒にプレーすることについては、どう受け止めていますか。
「いやー、うれしいですよ! 未だに不思議な感じですし。練習も一緒ですし、ロッカールームもすぐ隣にいる。もっといろんなことを聞きたいし、もっといろんなことを盗みたいと思っていますね」
――サッカーゲームでイニエスタ選手を使っていたという発言もありましたが、昔から憧れのようなものがあったのでしょうか?
「昔からFCバルセロナが大好きで観ていましたので、そういう偉大な選手が同じチームにいることはすごくうれしいです。若い選手たちが思っている以上に、僕もパスにメッセージが込められているのを感じますし、プロサッカー選手として貴重な時間を過ごさせていただいていますね」
――イニエスタ選手の印象はどんなものでしょうか?
「ボールを止める位置、持つ場所で、いろんなアイデアを持ってプレーしていることがわかります。非常に守りづらいですし、飛び込めない。守っている相手に怖いと思わせることができる選手ですね」
――槙野選手なら、どう対応していくのですか?
「いや~、どうですかね。ポジション的に対峙する機会が少ないので。ただ、イニエスタ選手がボールを持った時の準備はいつもよりも多いとは思います。どこからでもパスが出てきますからね」
――実際に練習などでは抜かれたりもしましたか。
「もちろん、もちろん(笑)。パス一つで局面を打開されることもあります」
――イニエスタ選手と一緒に練習して驚いたことはありますか。
「ヴィッセル神戸ではロンドというボール回し(選手数人が円を描き、中の守備役にとられないようにパスを回す練習)でウォーミングアップを行うんですけど、人数が多く狭いエリアでもイニエスタ選手はかなりの確率で鬼(守備役)にならない。状況判断が素晴らしいというか、一言で言うとバケモンです。あれは見て盗めるもんじゃないと思いますね」
――ロンドは他のチームよりレベルが高い?
「高いですし、めちゃめちゃ面白いですよ。カメラ回していたら予想できないことが次々と起こりますので、お金を払ってでもみたいロンドだと思います。あれだけでもチームや選手のクリティの高さがわかると思いますね」
チームメイトになったイニエスタに印象は?
――最後に開幕戦で対戦する名古屋グランパスの印象を聞かせてください。
「ヴィッセル神戸と同様に各ポジションにクオリティの高い選手が揃っていると思います。でも、(長谷川健太監督に)監督が変わった初年度というのは、僕自身もたくさん経験してきましたけど、難しいですよね。探り探り、まだまだ時間がかかると思います。そういうチームと開幕戦でやるという意味では、対戦相手として何をしてくるかわからないので難しい面もあります。相手が何を狙っているのか、選手の動き方はどうかをつかむのには少し時間が必要だと思います。もちろん、前準備で分析はしますが、分析しきれない部分も出てくると思います」
――その相手に勝つためのポイントは何ですか。
「タイトルを取るためには開幕戦の勝利はマストだと思っていますし、チーム状態が上がって行く時には結果でリズムをつかむ必要があるとも思います。そのためには、うまくいかない時間帯にどうするか。守備陣にとしては、それを跳ね返す必要があると思います。耐えるメンタルと跳ね返すメンタルは大切なポイントだと思います。開幕から連戦が続きますし、シーズンの初戦を失点ゼロに抑えて、攻撃面では大迫選手や武藤選手に早くゴールをとってもらって、メンタル的にも余裕を作ってほしい。そして、次の試合、また次の試合に向かっていけるようにするためにも開幕戦は絶対に勝利が必要だと思います。失点ゼロ、先制点は開幕戦のポイントだと思います」
取材・文●白井邦彦(フリーライター)
2022明治安田生命J1リーグ第1節
名古屋グランパス vs ヴィッセル神戸(豊田スタジアム)
2022年2月19日(土)15時キックオフ
DAZNにて独占ライブ配信