――次にチームについて教えてください。浦和レッズとヴィッセル神戸ではディフェンスのやり方が違うと思いますが、決定的に違う点はなんでしょうか?
「戦術的なことは言えませんが、最も大事なことは誰と組むかになると思います。自分とコンビを組む選手、横の選手もそうですし、前の選手もそうです。個人で守るというよりもグループで守ることが求められると思いますので、そこは一次キャンプ、二次キャンプ、その後の練習でもそうですけど、いろんなメンバーと組み合わせてやっていますので、いい関係は築けてきていると思います。ただ、練習で起きる状況と試合で起きる状況は全く変わってきますので、いろんな選手と高い質を維持して守っていければいいかなと思っています」
――三浦監督は槙野選手のコーチングを評価されていました。コーチング面では何を注意していますか?
「どこから守備をはじめるのか、誰が行くのか、そう言った決まり事に対しては声を発するようにしています。あとは最終ラインのライン設定もそうですね。昨シーズンは出せていなかったことを今シーズンは出していきたいと監督からも話を受けていますので、そこはリーダーシップをとって、引っ張っていく感じではあります。個性の強い選手、経験のある選手も多いので、まとめ役としても自分の役割があるんじゃないかと感じています」
――昨シーズン、浦和と神戸は4試合を行い、槙野選手はうち3試合に出場し、出た試合は負けなしです。対戦相手として見たヴィッセルの印象を教えてください。
「ヴィッセルは各ポジションに素晴らしい選手が揃っていることはわかっていました。その中で、僕がこのクラブに来たいと思った理由にもつながりますが、昨シーズンの最後の試合が印象に残っています。その試合では、武藤(嘉紀)選手と大迫(勇也)選手の攻撃力の高さ、プラス、前線からの守備意識の高さに心を奪われました。前線の選手が点を取るだけではなく守備でもハードワークできる姿、チーム全体がオーガナイズされている姿というのは、僕がヴィッセル神戸と試合した前半3試合から大きく変わっていた部分でもありました。
あとはスタジアムの雰囲気も気に入りました。もちろん、(浦和レッズのホーム)埼玉スタジアムとは大きさが違いますが、入っているお客さん、チームをサポートするスタッフの皆さんにも心を奪われましたので、ぜひとも一つ一つ積み上げて、最後にはみんなで笑顔で終わりたいと思います」
浦和時代に抱いていたヴィッセルの印象は?
――浦和レッズ時代には勝利の凱歌を選手全員がサポーターと一緒に歌うことを発案されましたが、ヴィッセル神戸ではサポーターと一つになるための仕掛けを何か考えていらっしゃいますか?
「神戸讃歌を映像では見させてもらいましたし、早く歌いたいなと個人的には思っています。ただ、自分がこれから仕掛けていく作戦はまだ明確ではないので、まずはプレーで、結果で見せていきたいと思います。個人的にはホームゲーム毎試合で、『MAKINOシート(各試合30席)』を設けさせていただいて、例えばプロサッカー選手をめざしている子どもたちや、子育てを頑張っているお母さん・お父さんとか、恵まれない環境で過ごしている方たちとか、まだサッカーに興味がない方たち、ヴィッセル神戸の試合を見に来たことがない方たち、そういう方たちを毎回招待したいと思っています。チームが掲げる優勝に向かって行くために、たくさんの神戸市民の方たち、兵庫県民の方たちを巻き込んでいきたいと思っています。ピッチの外からも攻めていきたいと思っています」
――守備範囲が広いですね。
「ははははは。ピッチ外も守備範囲です」