――いろいろとオファーがあったと思いますが、その中でヴィッセル神戸への加入を決断されました。どんな形でオファーを受けたのでしょうか?
「具体的には言えませんが、早い段階では話をいただきました。クラブの理念だったり、プロジェクトだったり、そして2022年シーズンに自分たちがどうなりたいかというビジョンが明確だったことに僕は心を奪われました。自分の経験と力をヴィッセル神戸に落としたいと率直に思いました。
そして、僕自身のポジションが確約されているわけではない。激しいポジション争いの中でもう一皮、二皮むけたいなって思いもありました。あとは(2018年の)ロシア・ワールドカップを戦った仲間がいっぱいいましたし、(アンドレス・)イニエスタ選手やボージャン(・クルキッチ)選手など素晴らしい外国籍選手たちもいる。この環境で、(5月)35歳になる自分がもっとプレーの幅を広げられるんじゃないかとも思いました」
――ヴィッセル神戸の新加入選手発表会(1月16日)でも「35歳で迎え入れてくれて」という話をされていました。35歳という年齢は意識しているのでしょうか。
「僕と同世代の選手たちが毎年のように引退だとか、満了になっています。もしくはカテゴリーを下げてプレーを続ける姿を見た時に、35歳でもまだまだやれることを見せたいと思っていましたし、ヴィッセル神戸というJ1リーグでもトップを走るようなクラブからオファーをいただいた意味ではすごく恵まれているなとも思います。ですので、(新加入発表会で)ああいうコメントをしました。素晴らしい話をもらったからには、しっかりとピッチの中でそれに見合うプレーをみせなくてはいけないと思っています」
――ヴィッセル神戸ではどんな役割を求められていますか?
「今年のチーム目標はアジアでナンバーワン、そしてJ1リーグでチャンピオンを取ることです。2つのプロジェクトに対して、自分の役割は大きなものがあると思っています。世間的には、昨シーズンまで在籍したトーマス・フェルマーレン選手の代わりという捉え方をされるかもしれませんし、そういう流れでの補強だったかもしれません。でも、僕には僕の良さがありますし、また違ったいい空気をチームにもたらせると思います。
練習や試合の中で、苦しい時間帯に関しては自分のポジティブな空気が活きるとも思います。ここは、三浦監督を含めヴィッセル神戸から評価された部分だと思います。ヴィッセル神戸ではセンターバックやサイドバックなど複数のポジションをこなしてほしいと言われていますので、また新たな挑戦が待っているんじゃないかと感じています」
「世間的には、フェルマーレン選手の代わりという捉え方をされるかもしれませんが…」
――プレー面で最もチームに貢献できる部分は何だと思われますか。
「昨シーズンの結果を受けて、さらに上位に進出し、タイトルを取るにはもっと失点数を減らさないといけないと思っています。プラス、DFの選手でも得点を奪えるような展開に持っていきたいです。ポイントゲッターになれる存在価値も出していければなとは考えています」
――三浦監督は昨シーズン以上にボールを握りながら攻撃を仕掛けることを今シーズンのテーマの一つに挙げていますが、槙野選手がドリブルで持ち上がって攻撃に参加するようなシーンも見られそうですか?
「ん~、そうっすね。トレーニングの中ではそこに対しては追求しています。自分のところで相手をはがす動きや、前線に駆け上がるようなシーンを出していかないといけないと思いますし、監督からはそういうところも求められているのでどんどんチャレンジしていければと思います。ただ、各ポジションに素晴らしい選手、クオリティの高い選手がいますので、まずは出場したポジションで求められるプレーをやることが先決だと思っています」
――今、そういう回答をお聞きした後で恐縮ですが、今シーズンは何点くらい取りたいですか?
「ははははは。どうですかねー。点を取るというよりは、失点しないことにこだわってやっていきたいと思っていますので。何度も言いますが、タイトルを取るために追求しないといけないことは毎試合失点ゼロに抑えられるような数字を残していくこと。もちろん、昔はFWでしたし、点を取ることも大好きです。槙野調べではJリーグのDF登録選手では(田中マルクス)闘莉王選手の次ぐらいに点を取っていると思います。J1リーグ通算50点まであとちょっと(現在45得点)なので、そこまではなんとか行きたいなと思います」