仲間たちのために――。他者のために動くことでチームを支えてきた高橋。しかし、最後は笑って終わることはできなかった。
 

「雅史がいないと成り立っていなかった。自分がキャプテンだけど、全てにおいて彼が引っ張ってくれた。彼があっての今の僕たち。感謝しても感謝しきれない」

　キャプテンの高山築（３年）が述べた高橋への想い。最高の結果ではなかったが、３年間の頑張りは報われた。

　将来の目標はJクラブでホぺイロとなり、日本代表に帯同すること。今後は大学に進み、新たなスタートを切る。そして、高橋にはもうひとつ願いがある。「サッカー選手のサポートする仕事をしたい」と思う学生を、大成のサッカー部で受け入れて育てていくことだ。

「１年生で男子マネージャーがいて、来年も新入生でひとり入ってくると聞いています。自分の代から男子マネージャーの役割ができたので、これが伝統になってほしい。大成では選手だけでなく、サッカーに関わる仕事を目指してほしい」

　入学当初に思い描いていた通りの歩みではないかもしれない。だが、３年間で大切なものをたくさん得て、後輩たちに新たな道も示せた。高橋にとって、大成で過ごした３年間は一生の宝物だ。（文中敬称略）

取材・文●松尾祐希（フリーライター）