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「僕たちを必要以上にリスペクトしていないのは腹立たしい」。初戦黒星で蘇る本田の主張【編集長コラム】

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2021年09月05日

あの時間帯での失点は責められない

オマーン戦で活躍できなかった古橋。サイドではなく中央のエリアでプレーさせたほうがベターか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 改めてオマーン戦に言及すれば、糾弾されるべきは攻撃陣で守備陣ではない。1失点はどんな試合でもあり得ることで、「なぜあそこで失点してしまったか」以上に「なぜあそこまでゴールを奪えなかったか」が最大の問題点だ。

 パススピードを欠き、あそこまでプレーの緩急がないと、行きつくところは共有意識の薄さである。最前線の大迫にボールが入りにくい状況下で、どう仕掛け、どう崩すか、そういう工夫がまったくと言っていいほどなかった。技術や経験はあるわけだから、もっと頭を使って賢く戦えなかったのかと強く思う。

 古橋が投入されても、周りの選手に彼の前線への抜け出しを引き出そうとする動きはなく、てんでバラバラ。大迫と鎌田が意図的に少しポジションを下げつつ、相手DFを引っ張り出したうえで、空いたスペースに古橋を積極的に走り込ませる、はたまた古橋がサイドで機能しなければ鎌田とポジションを入れ替えて中央でプレーさせるなど、選手の独断でもいいからチャレンジすべきアクションはあったはずだ。

 久保や堂安が入って若干怖さが出たものの、チーム全体のテンポは上がらず、そうこうしているうちにゴールを奪われてしまった。守備に問題がなかったわけではないが、だからといって、「なぜ失点を防げなかったか」とあのワンシーンだけを切り取って考えるのはナンセンスだろう。

 ロシア・ワールドカップのベルギー戦での3失点目もそうだ。あそこだけ切り取っても意味はない。実際、あの試合は前半にかなり押し込まれたせいで、選手たちの体力の消耗は半端なかった。2-0から1点を返された時点で選手の足取りはすでに鈍くなっていたし、そういう伏線があって追いつかれ、最終的に逆転負けを喫したのだ。長友が「ベルギー戦は振り返れば完敗だった」と言うように内容も踏まえれば惜敗ではなく、最大の敗因を挙げるなら押し込まれすぎた前半の戦いぶりにあったと考えている。
 

 オマーン戦に話を戻すと、相手の巧みな戦術(特にハイプレスとサイド攻撃がきいていた)によって膠着状態に持ち込まれた日本には少なからず焦りと戸惑いがあった。それがプレーの精度を狂わせ、チャンスを作れず、悪い流れのまま失点を喫した。攻めが上手く行かない時の守備陣の負担は精神的にも体力的にも相当なもので、むしろあの時間帯での失点は責められない。ノーゴールで終わった攻撃陣が不甲斐なしと、そう結論づけたほうが個人的にはしっくりくる。

 いずれにしても、攻守両局面での切り替えが遅く、チームそのものが機能していなかった日本。森保監督が選手たちを掌握しきれていない印象の現状には大きな不安を感じる。

 同じ初戦でオーストラリアに完敗した中国の戦いぶりは脅威に映らなかった。ただ、その中国とのアウェーゲームを引き分け以下で終えたら……。今予選、日本、恐れるに足らずと、対戦国はリスペクトを排除して臨んでくるかもしれない。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集長)

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