「仕掛ける意識を高めるだけでもプレーの幅は広がる」
キャリアの晩年になると、将来は子どもたちを指導したいとおぼろげながら考えていた。
引退翌年の09年は大宮のスクールコーチ、10年から3年間は浦和のハートフルクラブでともに小学生と向き合い、指導のイロハを学んだ。そうして13年、さいたま市内にドリブルの習得に絞ったスクール『SORPRESA(ソルプレッサ)』を開校。「サッカーにはさまざまなスキルが必要ですが、自分はドリブルで生きてきた人間なのでドリブルにこだわりたかった」と説明する。
小学1~6年生の男女をスペシャルクラスと通常クラスに分けて指導。少年団などチームに所属し、基本技術を身に付けている選手が大半だが、軽やかで巧みなドリブルの習得を希望する子どもが集まって来る。
小学生はドリブルについて誤解しがちで、自己満足に過ぎないプレーをする子も多いそうだ。「試合で使える効果的なドリブルを武器にしてほしいですね。チャレンジする勇気も大切で、取られてもいいからパスではなく、仕掛ける意識を高めるだけでもプレーの幅は広がります」とドリブルの重要性を訴える。
男子は浦和や大宮、川崎フロンターレなどのジュニアユース、女子は浦和のジュニアユースや日テレ・東京Vメニーナへ進む実績も積んだ。「さいたま市だけでもスクールはたくさんあるのに、うちを選んでもらえて嬉しいが責任も大きい。保護者から『入って良かった。巧くなりました』と喜んでもらえるのが最高に幸せです」と顔をほころばせた。
V川崎と東京Vで4年半同僚だった6つ年下の飯尾一慶が、19年からコーチ陣に加わり、横浜市内の自宅から手伝いに来てくれる。
飯尾は現役時代の桜井について「シザースからの突破でPKを取る動き、相手の逆をしつこく突くプレーに衝撃を受けた。敵を抜くことを楽しんでいました」と述懐する。
桜井が15年のプロ生活でもっとも思い出に残る試合が、磐田を2-1で破って優勝した04年度の第84回天皇杯決勝だ。桜井は主力でありながら故障で出場できなかったが、前半35分に先制点を挙げた飯尾がユニホームをたくし上げると、16番の桜井のユニホームを着ていた。ベンチ横に疾走し、桜井と抱き合ったのだ。高校3年の飯尾と知り合い、いまも盟友関係が続いていることが大きな財産だという。
指導者・桜井について飯尾は「桜井さんが小学生の時に何をしていたのか、どんな想いでサッカーと向き合っていたのかを真剣に伝え、情熱を持って接しています」と評した。
引退翌年の09年は大宮のスクールコーチ、10年から3年間は浦和のハートフルクラブでともに小学生と向き合い、指導のイロハを学んだ。そうして13年、さいたま市内にドリブルの習得に絞ったスクール『SORPRESA(ソルプレッサ)』を開校。「サッカーにはさまざまなスキルが必要ですが、自分はドリブルで生きてきた人間なのでドリブルにこだわりたかった」と説明する。
小学1~6年生の男女をスペシャルクラスと通常クラスに分けて指導。少年団などチームに所属し、基本技術を身に付けている選手が大半だが、軽やかで巧みなドリブルの習得を希望する子どもが集まって来る。
小学生はドリブルについて誤解しがちで、自己満足に過ぎないプレーをする子も多いそうだ。「試合で使える効果的なドリブルを武器にしてほしいですね。チャレンジする勇気も大切で、取られてもいいからパスではなく、仕掛ける意識を高めるだけでもプレーの幅は広がります」とドリブルの重要性を訴える。
男子は浦和や大宮、川崎フロンターレなどのジュニアユース、女子は浦和のジュニアユースや日テレ・東京Vメニーナへ進む実績も積んだ。「さいたま市だけでもスクールはたくさんあるのに、うちを選んでもらえて嬉しいが責任も大きい。保護者から『入って良かった。巧くなりました』と喜んでもらえるのが最高に幸せです」と顔をほころばせた。
V川崎と東京Vで4年半同僚だった6つ年下の飯尾一慶が、19年からコーチ陣に加わり、横浜市内の自宅から手伝いに来てくれる。
飯尾は現役時代の桜井について「シザースからの突破でPKを取る動き、相手の逆をしつこく突くプレーに衝撃を受けた。敵を抜くことを楽しんでいました」と述懐する。
桜井が15年のプロ生活でもっとも思い出に残る試合が、磐田を2-1で破って優勝した04年度の第84回天皇杯決勝だ。桜井は主力でありながら故障で出場できなかったが、前半35分に先制点を挙げた飯尾がユニホームをたくし上げると、16番の桜井のユニホームを着ていた。ベンチ横に疾走し、桜井と抱き合ったのだ。高校3年の飯尾と知り合い、いまも盟友関係が続いていることが大きな財産だという。
指導者・桜井について飯尾は「桜井さんが小学生の時に何をしていたのか、どんな想いでサッカーと向き合っていたのかを真剣に伝え、情熱を持って接しています」と評した。
ソルプレッサとはスペイン語で“驚き”を意味する。東京Vで薫陶を受けたオズワルド・アルディレス監督が、「桜井のプレーにはソルプレッサがある」と語った記事からスクール名に採用した。
45歳のさすらいのドリブラーは、「身体が動く限り、ひとりでも多くの子どもたちと接してドリブルの魅力を伝えたい。それが自分の使命だと思っています」と結んだ。
(文中敬称略)
取材・文●河野 正
45歳のさすらいのドリブラーは、「身体が動く限り、ひとりでも多くの子どもたちと接してドリブルの魅力を伝えたい。それが自分の使命だと思っています」と結んだ。
(文中敬称略)
取材・文●河野 正