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埼玉の高校サッカー界に新風を吹き込むか。浦和ユース出身の青年監督と県立・川口青陵の挑戦

カテゴリ:高校・ユース・その他

河野正

2020年01月21日

先の選手権・埼玉予選では初めて決勝Tに進出

躍進を続けている川口青陵。選手権予選で得点を挙げた具志堅(11番)が新チームの主将を務める。(C)イシクラ

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ボードを使って指示を伝える山田監督。浦和ユース、順天堂大を経て指導者の道を志した。

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 ささやかな照明器具の下で、熱気を帯びる薄暮の練習。前夜の雨であちこちに水たまりが残り、土のグラウンドは荒くて重かった。傍らには水を何度も吸い取り、どす黒くなったスポンジが置かれていた。
 
 第98回全国高校サッカー選手権は私立の静岡学園が優勝を飾り、出場48校のうち35校が私学だった。同選手権・埼玉大会では私立が史上初めてベスト8を独占、その強豪校の多くが良質の人工芝で汗を流している。

 そんな恵まれた環境とは無縁の埼玉県立川口青陵高校サッカー部は、1984年創部のごく平均的なチームで、これといった戦績はまだない。

 現在32歳の山田純輝監督が赴任した1年目は、部員30人足らずだったが、ここ数年は好人材が相次いで入部。就任4年目の昨年は96人の大所帯となり、全国高校選手権・埼玉大会では初の決勝トーナメントに進み、1回戦を突破してベスト30入りを果たした。指揮官は「自分たちで判断してプレーできるチームになり、選手同士の会話も増えた」と、少しずつだが着実な成長を感じ取っている。

 
 山田監督はJリーグ・浦和レッズのアカデミー出身で、ユース時代の同期には宇賀神友弥(浦和)や小池純輝(東京ヴェルディ)、西澤代志也(沖縄SV)らがいた。希望したトップチーム昇格はかなわず、順天堂大学に進んで教員の道を選び、社会人2年目の2011年に埼玉県立滑川総合高校へ赴任。5年間の奉職中に選手権・埼玉大会で2度、決勝トーナメントに進出した。
 
 この4月には川口青陵で5年目を迎えるが、「滑川総合の頃からボールを大切に扱い、ポゼッション重視のやり方は変わらない。中央で作ってサイドで勝負するコンセプトです。陣形も4-1-4-1を基本にボールを握りやすい戦術で戦っています」と説明。新米の頃は薫陶を受けた恩師の教えなどを参考にしたが、いまは独自のスタイルが出来上がった。

 サッカー一家である。弟の直輝も浦和のアカデミーで育ち、浦和時代に日本代表にも選ばれた湘南ベルマーレのMFだ。父・隆さんは第57回全国高校選手権で本郷(東京)が4強入りした当時の中心選手で、日本リーグのマツダ(現サンフレッチェ広島)でもプレーした。そして伯父である埼玉県サッカー協会の岡田泉副会長は、02年から川口青陵サッカー部で14年間、監督を務めていた。
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