ユベントスとマドリーの会長がバルセロナを訪れた
メッシほどの選手になれば、金額だけがすべてではない。バルサは、彼が13歳から20年近くを過ごしたチームだ。ここで彼は世界一の選手へと成長し、多くの物を勝ち取った。また子供たちも皆この町で生まれ、育っている。友人も多く、いくつもの不動産も持ち、まぎれもない第二の故郷だろう。
そして何より彼はチームの旗印となるスーパースターだ。かつては一つのチームから決して動かないシンボル的選手は数多くいたが、今はそうした選手生活を1チームのみに捧げることは非常に難しい。その稀有な存在の一人なのだ。
キャリアの終わり近くにその栄誉を汚したくはないだろう。アンドレス・イニエスタも「カンプノウで別なチームのユニホームを着て立つメッシを見るのは悲しい」と言っている。そのため前回の合意以上の年俸削減の提案もあるかもしれない。
そして何より彼はチームの旗印となるスーパースターだ。かつては一つのチームから決して動かないシンボル的選手は数多くいたが、今はそうした選手生活を1チームのみに捧げることは非常に難しい。その稀有な存在の一人なのだ。
キャリアの終わり近くにその栄誉を汚したくはないだろう。アンドレス・イニエスタも「カンプノウで別なチームのユニホームを着て立つメッシを見るのは悲しい」と言っている。そのため前回の合意以上の年俸削減の提案もあるかもしれない。
ただメッシが残るには、それだけでは不十分だ、彼がたとえ無報酬でプレーすることをOKしたとしても、何人かの主力を放出する必要がある。それは、強いチームを望んできたメッシの希望とはかけ離れてしまう。いま、バルサはそれを避けるための方法を模索している。
8月7日、ユベントスとマドリーの会長がバルセロナを訪れた。ビジネスの話だというが、そこでビッグチームの首を絞めるファイナンシャルフェアプレーへの対抗策やメッシの話が出ない方が不自然だろう。
メッシはそんなバルサに時間を与えようとするのではないか。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。