代理人を務める父のホルヘ氏はその日の午後に契約に赴く予定だった
『メッシ、バルセロナを退団』
このニュースは瞬くうちに世界を駆けめぐり、多くの人を驚かせた。しかし、何よりも驚いたのはリオネル・メッシ本人だったかもしれない。
8月5日、メッシとバルセロナは再び契約を結び直すはずだった。チームからはすでにOKをもらっており、彼の代理人を務める父のホルヘ氏は午後には契約に赴く予定だった。しかしそこにもたらされたのが、契約できないというバルサからの連絡だった。クラブはその理由を「ラ・リーガの規定が障害となった」と説明した。
皆さんはフェアプレーという言葉をご存じだろう。FIFAは20年前からこの言葉をスローガンに掲げ出した。当時は八百長などのないきれいな試合、暴力的でないプレーなどに対して使われてきたが、ここ10年近くはそれを財政面にでも使うようになった。それがファイナンシャルフェアプレーだ。
これは、平たく言えば、クラブの支出が総収入より必ず下回るようにするという規定だ。クラブの慢性的な赤字経営を憂いてという建前だが、本音は別なところにある。最近のサッカー界では、過去100年間に見られなかったような現象が起きてきている。
チームを投資先と見なし、アラブやロシアの富豪、チャイナマネーなどがどんどん流入してきている。莫大な資金のあるチームは、もちろん多くの一流選手を買いあさる。
【PHOTO】“稀代のスーパースター”リオネル・メッシ!輝かしいキャリアを写真で振り返り!
このニュースは瞬くうちに世界を駆けめぐり、多くの人を驚かせた。しかし、何よりも驚いたのはリオネル・メッシ本人だったかもしれない。
8月5日、メッシとバルセロナは再び契約を結び直すはずだった。チームからはすでにOKをもらっており、彼の代理人を務める父のホルヘ氏は午後には契約に赴く予定だった。しかしそこにもたらされたのが、契約できないというバルサからの連絡だった。クラブはその理由を「ラ・リーガの規定が障害となった」と説明した。
皆さんはフェアプレーという言葉をご存じだろう。FIFAは20年前からこの言葉をスローガンに掲げ出した。当時は八百長などのないきれいな試合、暴力的でないプレーなどに対して使われてきたが、ここ10年近くはそれを財政面にでも使うようになった。それがファイナンシャルフェアプレーだ。
これは、平たく言えば、クラブの支出が総収入より必ず下回るようにするという規定だ。クラブの慢性的な赤字経営を憂いてという建前だが、本音は別なところにある。最近のサッカー界では、過去100年間に見られなかったような現象が起きてきている。
チームを投資先と見なし、アラブやロシアの富豪、チャイナマネーなどがどんどん流入してきている。莫大な資金のあるチームは、もちろん多くの一流選手を買いあさる。
【PHOTO】“稀代のスーパースター”リオネル・メッシ!輝かしいキャリアを写真で振り返り!
こうして各国リーグでは、いつも同じ顔ぶれのクラブばかりが勝利を繰り返すようになってきた。同じチームばかりが勝っては、リーグの魅力は半減する。そこで設けられたこのファイナンシャルフェアプレーは、金持ちチームから力を削ぐための政策なのだ。FIFA、UEFA共に規制を掲げているが、ラ・リーガはそれ以上に厳しい規制を設けている。例えば2020-2021シーズン、バルセロナの収入は6億ドル(約660億円)が総収入だったが、それに対しチームが使うことが許される金額は4億900万ドル(約450億円)だった。
こうしてバルサにとってメッシの高い年俸は大きな障害となった。2026年まで1億6500万ユーロ(約206億円)の契約更新はバルセロナには払えない金額だ。そこでメッシは一度バルセロナを退団し、今までの約半額の年俸で新たに契約をすることで合意に至っていた。
またメッシを保持するために多くの選手が放出された。しかしここで待ったをかけてきたのがラ・リーガだった。この金額でも既定を上回っていて許可することはできないというのだ。これはバルセロナにとっても驚きだった。なぜならラ・リーガがそう告げてきたのは、契約を交わす当日で、それまではなんのお咎めもなかったのである。なぜそんなことになったのか。そこにはラ・リーガとバルセロナの泥沼の戦いがある。
【PHOTO】現地番記者が選ぶ「過去20年のバルサ・レジェンドTOP10」を厳選ショットで振り返り!
こうしてバルサにとってメッシの高い年俸は大きな障害となった。2026年まで1億6500万ユーロ(約206億円)の契約更新はバルセロナには払えない金額だ。そこでメッシは一度バルセロナを退団し、今までの約半額の年俸で新たに契約をすることで合意に至っていた。
またメッシを保持するために多くの選手が放出された。しかしここで待ったをかけてきたのがラ・リーガだった。この金額でも既定を上回っていて許可することはできないというのだ。これはバルセロナにとっても驚きだった。なぜならラ・リーガがそう告げてきたのは、契約を交わす当日で、それまではなんのお咎めもなかったのである。なぜそんなことになったのか。そこにはラ・リーガとバルセロナの泥沼の戦いがある。
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