命運を分けたPK献上の背景。メキシコに狙い撃ちされた日本の強み【東京五輪】

カテゴリ:連載・コラム

河治良幸

2021年08月08日

22人の選定も問われるべきポイント

今回の五輪代表は過去最高の強度のあるチームだったのは間違いない。だからこそ生かし方という部分で勿体なさが残った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 日本はグループステージで対戦した時から、左CBの板倉滉に代えて出場停止明けの冨安を起用しただけで、それ以外は同じメンバーと形だった。一方のメキシコは前線と中盤のメンバーこそ同じだったが、中盤の形を変えて、よりボランチと二列目にプレッシャーがかかるようにしていた。そして奪った直後の立ち位置の取り方と、そうした設計面でアドバンテージを取られた不利は大きい。

 もちろんボランチの遠藤や田中の勤続疲労もあったかもしれない。18人で挑むことが決まっていた時点では、その中でやりくりするのは致し方ない。しかし、22人になったことでバックアップが正規メンバーになり、その中からFWの林大地が台頭した。CBを二人入れたバックアップをそのまま正規メンバーにする選択がどうなのかという疑問の声は筆者に限らず何人も出していたが、結果論ではなく問われるべきポイントではある。
 
 そして堂安と久保のところを封じられた場合のオプションの不足。もちろん上田綺世と三笘の怪我は誤算だったが、前田大然の起用法、勝負所でスカウティングされていない3-4-2-1の採用など、いろいろと指摘するポイントはある。ベースの部分では過去最高の強度のあるチームだったことは間違いない。しかし、だからこそ生かし方という部分で勿体なさの残る東京五輪となった。

 ただ、自国開催だからこれだけ結果に大きな注目が集まるのであって、本来は男子サッカーで一番大事なのは、五輪組からA代表にどれだけ割って入ることができるかだ。すでに主力を担う冨安のような選手もいるが、過去にないぐらいA代表に還元される五輪のチームであることを願いたい。

文●河治良幸

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