3、4年からJリーグに出るためには「単位をきちんと取れていないと…」
まずこの流れに至るまでの1つのポイントは、角田が3年間で卒業に必要な単位をほぼ取得したことにある。高校時代、筑波大進学を決めた時に「もしかすると特別指定などで3、4年からJリーグに出られる可能性だってあると思います。そうなった時に単位をきちんと取れていないと、そういうチャンスを逃してしまうかもしれないので、1年から全部取るつもりでやります」と口にしていた。
この言葉、実は高校時代の室屋も口にしていた言葉だった。青森山田高時代、彼のもとにはJ1のあるクラブから熱烈なラブコールが届いていた。だが、彼は「サッカー人生のその先のことも考えて、大学に行って勉強をしっかりやってからプロに行きたい」と明治大進学を決断。その際に「大学サッカーで1年から活躍をすれば、早い段階で特別指定などでJリーグの試合に出てプロの経験を積めると思うので、単位は3年のうちに全て取るつもりです」と言っていた。彼はそれを見事に有言実行したからこそ、前述したように特例が認められた。
角田も有言実行をした。そして2週間の教育実習をきちんとこなして、教員免許取得の目処もたった。だからこそ、小井土監督は最後まで彼の意思を尊重した。
「もちろん戦力的には痛いけど、僕はその人間がきちんと自立していて、そのキャリアを考えた上でふさわしいと判断したら、快く送り出したいというスタンスを持っています。そこに止める理由はありませんが、ただ所属している部の仲間が応援していないのに、プロになって応援してもらえる選手にはなれない。普段から周りが『あいつなら大丈夫』『早く上のステージに行って活躍してほしい』と思える取り組みをピッチ内外、学校内でしているかどうかが重要なんです。角田が見せた姿勢は、まずは本人の意思が固いということがひとつで、もうひとつは大学進学も自分で考えて決断し、覚悟を持ってこれまで取り組んでくれた。今回も同じように自分で考えて決断し、覚悟がきちんと見えた。実力的にも、蹴球部での日頃の立ち振る舞いを見ても、僕も安心して送り出せる人間だったんです」
角田も有言実行をした。そして2週間の教育実習をきちんとこなして、教員免許取得の目処もたった。だからこそ、小井土監督は最後まで彼の意思を尊重した。
「もちろん戦力的には痛いけど、僕はその人間がきちんと自立していて、そのキャリアを考えた上でふさわしいと判断したら、快く送り出したいというスタンスを持っています。そこに止める理由はありませんが、ただ所属している部の仲間が応援していないのに、プロになって応援してもらえる選手にはなれない。普段から周りが『あいつなら大丈夫』『早く上のステージに行って活躍してほしい』と思える取り組みをピッチ内外、学校内でしているかどうかが重要なんです。角田が見せた姿勢は、まずは本人の意思が固いということがひとつで、もうひとつは大学進学も自分で考えて決断し、覚悟を持ってこれまで取り組んでくれた。今回も同じように自分で考えて決断し、覚悟がきちんと見えた。実力的にも、蹴球部での日頃の立ち振る舞いを見ても、僕も安心して送り出せる人間だったんです」