レオナルドはネイマールと3、4か月も口をきかず
ソープオペラのような大騒ぎのあと、ネイマールは結局パリSGに残ることが決まった。しかし彼は、本当はパリを出て行きたかった。そのことに不満をもったレオナルドは少なくとも3、4か月はネイマールと口をきかなかった。公の席でネイマールは間違っていると非難もした。
しかし、アラブのオーナーにとってはネイマールの価値は大きく、絶対に手放せない存在のため、レオナルドはネイマールと契約を更新した。その報酬は莫大だ。しかも、昨シーズンは故障もあって安定したパフォーマンスを発揮できなかった。
この特別扱いに他の選手たちは不満を持っている。サポーターもメディアも疑問を持っている。優秀な監督や選手は追い出され、新天地で成功している一方、たいした活躍をしていない高給取りのネイマールはパリに残った。そんな状況に、SDの手腕を疑いだしている。
しかし、アラブのオーナーにとってはネイマールの価値は大きく、絶対に手放せない存在のため、レオナルドはネイマールと契約を更新した。その報酬は莫大だ。しかも、昨シーズンは故障もあって安定したパフォーマンスを発揮できなかった。
この特別扱いに他の選手たちは不満を持っている。サポーターもメディアも疑問を持っている。優秀な監督や選手は追い出され、新天地で成功している一方、たいした活躍をしていない高給取りのネイマールはパリに残った。そんな状況に、SDの手腕を疑いだしている。
パリSGでレオナルドと最初に全面対立したのはダニエウ・アウベスだ。キャプテンであり、チームのスターだったにもかかわらず、2019年に、彼もまた契約を更新されなかった。もうベテランなうえに金がかかりすぎる、というのがレオナルドの言い分だ。しかし、彼は今でもセレソンの一員でサンパウロのスターでもある。
D・アウベスは今でも決して同胞のSDを許していない。「レオナルドは自分こそがこのチームのボスであることを示したかったのだ」と非難している。
レオナルドはトゥヘルの後釜として連れてきたマウリシオ・ポチェティーノともよい関係にない。そもそもレオナルドが彼をひっぱってきたのはリオネル・メッシを呼ぶための布石だった。同胞の監督であれば、メッシも移籍しやすいだろうという安易な人選だった。
しかし、これもレオナルドの失策だった。メッシを獲得するのは言わずもがな難しく、彼が監督である必要はなかった。CL敗退を機に二人の関係は悪化し、ポチェッティーノは不満を漏らし、イングランドに帰りたいと言い出すした。ジネディーヌ・ジダンがレアル・マドリーの指揮官を退いた時には、その後継者になることを狙った。
ただ、マドリーがカルロ・アンチェロッティを選び、イングランドにも職がないことを知ると、諦めてパリに残ることにした。新シーズンは、SDと不仲で本来なら出て行きたかった監督で戦うことになる。
これまでの多くの決断のミスを問われてきたレオナルド自身の立場を危うくなっている。最終的に引導を渡す引き金になるかもしれないのが、キリアン・エムバペの去就だ。2022年6月で契約の切れる彼に対し、パリSGは5か月前から契約更新について画策しているが、まだ何も確かなことは決まっていない。
この状況にオーナーたちも大きな不満を抱いているのだ。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
D・アウベスは今でも決して同胞のSDを許していない。「レオナルドは自分こそがこのチームのボスであることを示したかったのだ」と非難している。
レオナルドはトゥヘルの後釜として連れてきたマウリシオ・ポチェティーノともよい関係にない。そもそもレオナルドが彼をひっぱってきたのはリオネル・メッシを呼ぶための布石だった。同胞の監督であれば、メッシも移籍しやすいだろうという安易な人選だった。
しかし、これもレオナルドの失策だった。メッシを獲得するのは言わずもがな難しく、彼が監督である必要はなかった。CL敗退を機に二人の関係は悪化し、ポチェッティーノは不満を漏らし、イングランドに帰りたいと言い出すした。ジネディーヌ・ジダンがレアル・マドリーの指揮官を退いた時には、その後継者になることを狙った。
ただ、マドリーがカルロ・アンチェロッティを選び、イングランドにも職がないことを知ると、諦めてパリに残ることにした。新シーズンは、SDと不仲で本来なら出て行きたかった監督で戦うことになる。
これまでの多くの決断のミスを問われてきたレオナルド自身の立場を危うくなっている。最終的に引導を渡す引き金になるかもしれないのが、キリアン・エムバペの去就だ。2022年6月で契約の切れる彼に対し、パリSGは5か月前から契約更新について画策しているが、まだ何も確かなことは決まっていない。
この状況にオーナーたちも大きな不満を抱いているのだ。
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子
【著者プロフィール】
リカルド・セティオン(Ricardo SETYON)/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。