戦術や技術の前に、気持ちを整えなければ。
この試合で、清水はきっかけを掴みたかった。下位脱出に向けての足掛かりを作りたかった。どんなことをしてでも、開幕戦以来の勝利が必要だった。少なくとも、チームにとって前向きななにかを植え付けなければいけなかった。
無情にも、そのすべてを手にできなかった。待っていたのは、たくさんの課題と、引き分けという結果だけ。戦術はハマらず、歯車は噛み合わず、昇格組を相手に個の力でも圧倒できない。まるで負けたかのような表情で、選手らはミックスゾーンを後にした。
危機的状況に違いはない。ただ、前を向かなくてはいけない。次節アウェーの柏戦、その後にホームの鳥栖戦を戦えば、今季も10節が終了する。なんのきっかけも掴めないまま、ファーストステージを消化してはいけない。
鬱々とした気分で取材を終え、スタジアムから清水駅へ向かうタクシーに乗り込んだ途端、「厳しいね」と声を掛けられた。自称「サッカー狂」の地元運転手は、「今季こそ降格を覚悟しないといけない」とまくし立てる。
誰しもが昨季の苦しみを思い起こす今こそ、リバウンドメンタリティを見せてほしい。戦術や技術の前に、気持ちを整えなければ“王国”の火は消える。
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト)
無情にも、そのすべてを手にできなかった。待っていたのは、たくさんの課題と、引き分けという結果だけ。戦術はハマらず、歯車は噛み合わず、昇格組を相手に個の力でも圧倒できない。まるで負けたかのような表情で、選手らはミックスゾーンを後にした。
危機的状況に違いはない。ただ、前を向かなくてはいけない。次節アウェーの柏戦、その後にホームの鳥栖戦を戦えば、今季も10節が終了する。なんのきっかけも掴めないまま、ファーストステージを消化してはいけない。
鬱々とした気分で取材を終え、スタジアムから清水駅へ向かうタクシーに乗り込んだ途端、「厳しいね」と声を掛けられた。自称「サッカー狂」の地元運転手は、「今季こそ降格を覚悟しないといけない」とまくし立てる。
誰しもが昨季の苦しみを思い起こす今こそ、リバウンドメンタリティを見せてほしい。戦術や技術の前に、気持ちを整えなければ“王国”の火は消える。
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト)