【清水】きっかけなき“敗戦”

カテゴリ:Jリーグ

増山直樹(サッカーダイジェスト)

2015年04月30日

戦術や技術の前に、気持ちを整えなければ。

浮上のきっかけを掴めず、16位に沈む清水。このまま改善が見られなければ、今季こそ降格が現実となるかもしれない。写真:J.LEAGUE PHOTOS

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 この試合で、清水はきっかけを掴みたかった。下位脱出に向けての足掛かりを作りたかった。どんなことをしてでも、開幕戦以来の勝利が必要だった。少なくとも、チームにとって前向きななにかを植え付けなければいけなかった。
 
 無情にも、そのすべてを手にできなかった。待っていたのは、たくさんの課題と、引き分けという結果だけ。戦術はハマらず、歯車は噛み合わず、昇格組を相手に個の力でも圧倒できない。まるで負けたかのような表情で、選手らはミックスゾーンを後にした。
 
 危機的状況に違いはない。ただ、前を向かなくてはいけない。次節アウェーの柏戦、その後にホームの鳥栖戦を戦えば、今季も10節が終了する。なんのきっかけも掴めないまま、ファーストステージを消化してはいけない。
 
 鬱々とした気分で取材を終え、スタジアムから清水駅へ向かうタクシーに乗り込んだ途端、「厳しいね」と声を掛けられた。自称「サッカー狂」の地元運転手は、「今季こそ降格を覚悟しないといけない」とまくし立てる。
 
 誰しもが昨季の苦しみを思い起こす今こそ、リバウンドメンタリティを見せてほしい。戦術や技術の前に、気持ちを整えなければ“王国”の火は消える。
 
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト)
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