世界トップに突き抜けるためにはいい流れを掴む必要も
今の若い世代は、このほどギリシャ移籍に踏み切った香川真司(PAOK)のスター街道を間近で見て、「理想的なキャリア」だと感じているのかもしれない。しかし、当時のドルトムントは経営破綻からの再生期。現在ほど大きなプレッシャーが掛かるビッグクラブではなかった。
加えて、ユルゲン・クロップという名将との出会いがあり、彼はゴールハンターとしての才能を開花させることができた。2つの幸運がなければ、香川は2年後にマンチェスター・ユナイテッドに引き抜かれることもなかった。世界トップに突き抜けていくためには、いい流れを掴むことも必要なのだろう。
この1月には斉藤光毅を筆頭に5人の日本人選手が欧州へ移籍。FC東京の原大智も海外挑戦に踏み切るという。それぞれの第一歩は異なるが、ビッグクラブ傘下からのスタートがいいのか、中小クラブからスタートしたほうがいいのかは、フタを開けてみなければ分からない。果たしてどちらのルートが高い山の頂を捉えるのか。今後の動向をしっかりと見極めたいものである。
取材・文●元川悦子(フリーライター)
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