「僕はきたる数年について熟考したい。どこで何をしたいか、だね。近いうちに選択しなくちゃいけないだろうけど、完全に熟考中だ。契約にサインしておいて、１年後に『やっぱり出て行きたい、本当はこの契約にサインしたくなかったんだ』なんていうことはしたくない。ノンだ。サインするなら、そこに残るため。だから熟考する値打ちがあると思う」

　この問題については、専門家たちの見解はほぼ一致している。「エムバペにはリーグ・アンは小さすぎる。進歩するためにも、彼はメガクラブに羽ばたくべき」（有名アナリストのディディエ・ルスタン）だ。だが、「いつ」の各論では、見究めが難しい。

　スランプの原因は、こうした全ての原因の重複にあるのかもしれない。加えて、怪我人が続出したなかでやりくりしていたトゥヘル前監督によって種々のポジションに起用され、辟易していた可能性がある。

　マウリシオ・ポチェティーノ監督の就任で、その点は解消された。新指揮官は、「キリアンのコンディションはパーフェクトだ」と疲労説を否定し、その身体能力に驚愕したとも告白している。

　22歳ながら「パリＳＧでの通算100ゴール」を達成済みのエムバペは、新監督の下でその“怪物ぶり”を取り戻せるのか。その答は１月31日の第22節ロリアン戦、もっと言えば２月16日に行なわれるCLのバルセロナ戦で見えることだろう。

テキスト・結城麻里
Text by Marie YUUKI

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