やはり選手はクラブで試合に出て活躍してナンボ。それはリバプールで苦境を味わっている南野拓実も強調していること。「ここ(代表)でもチームでも結果を残さなければ居場所はない」と厳しい表情で語った。2016年リオデジャネイロ五輪を戦っていた頃の南野はザルツブルクで2シーズン連続二ケタ得点をマークするような実績ある点取り屋だった。最低でもそのレベル以上の選手が次々と出てこなければ、日本が自国開催の五輪で金メダルを獲得し、その主力がA代表のレギュラーを掴むのは至難の業だろう。
2002年日韓W杯の中田英寿や稲本潤一(相模原)、2010年南アフリカW杯の本田圭佑(ボタフォゴ)は22~24歳で絶対的中心に上り詰めた。そう考えると、東京世代は成長曲線を引き上げる必要がある。より高い領域を見据えながら、久保や堂安、三好らには貪欲にクラブでの結果にこだわってほしい。
取材・文●元川悦子(フリーライター)