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J1数クラブが争奪戦を繰り広げた大学サッカー界屈指の点取り屋、鹿屋体育大・藤本一輝が大分入団内定を掴むまで

カテゴリ:大学

安藤隆人

2020年06月24日

復帰まで8か月に及ぶ大怪我を機にさらなる進化に成功

負傷から回復後にパフォーマンスのキレが増したという。リハビリ時のトレーニングが功を奏した。写真:安藤隆人

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 鹿屋体育大では1年時から出番を得た。2年になるとエースストライカーとして前期リーグ戦で得点王に輝くなど一気に頭角を現わしたが、夏に人生で初となる大怪我に見舞われた。総理大臣杯2回戦の早稲田大戦で右膝の半月板を損傷。それでも後半アディショナルタイムに値千金の同点弾、延長戦では決勝弾を叩き込んで勝利に貢献したが、大会後に離脱を強いられることになった。

 リハビリを含め、復帰までかかった時間は8か月。ここまでの長期離脱は初めてだったが、この間の取り組みが奏功し、復帰後はさらなる進化を遂げることになった。

「リハビリ中は自分の身体をより自由に思いのまま動かせるように、コーディネーション系のトレーニングを集中してやりました」。その結果、復帰後はより自分の意図する身体操作ができるようになり、ドリブルのキレも増した。同時に復帰後、チームのフォーメーションが4-4-2から3-4-2-1に変わり、藤本は2トップの一角から2シャドーの一角にポジションチェンジしたことも大きかった。

「1列下がったことで、新しい自分が見つかりました。FWも全然問題なくやれていたのですが、最前線だと『間で前向きにボールを受ける』ことがあまりないんです。僕は足もとでボールを受けてどうにかするタイプなので、間で受けるとプレーの選択肢が一気に広がるんです。細かいタッチで素早く前を向いて、ドリブルなのかパスなのか、リターンを受けにいくのか判断しやすくなる。これに気づいたことで、よりいい状態でボールを受けるために、常に周りを見ないといけないし、FWの動きを生かすためのポジショニングなどを考えるようになりました」

 FWで足もとにボールを受けるシチュエーションはどうしても後ろ向きだったり、DFに寄せられている状況が多い。そうなるとトラップをしてから前を向かねばならなかったり、ドリブルで剥がさないといけないシチュエーションが多くなる。だが、シャドーをやることで相手のディフェンスラインと中盤の間で前向きにボールを受けることができる。視野を確保した状態でボールを受ければ、彼ほどの一瞬のスピードと技術を持った選手であれば、選択肢がいくらでも湧いてくる。

「分かりやすく言うと、『後出しジャンケン』ができるようになったんです。相手が近づいてきたらシンプルに叩いてまたもらい直せばいいし、相手が来なかったらドリブルで運んで、アクションをさせてその裏を取る。もちろんそれまでも駆け引きはしていたし、相手を見てやってはいたのですが、FWの時は対峙する相手しか見ていなかった。シャドーになって対峙する相手だけではなく、その背後やそばにいる2人目、3人目の選手がどう動いて、何を警戒しているのかが見えるようになったんです。そうなるとプレーの選択肢の幅も判断力も磨かれて行くのが分かるし、どんどん自分の引き出しが増えて行く感覚になるんです。特にFWにはポストも裏抜けもできる根本凌(湘南ベルマーレ内定)がいるので、彼の特徴を生かすプレーを考えるようになりましたし、そうすることで逆に自分の得意とする『点を取るプレー』が出しやすくなったんです。周りの特性を活かすことで、自分の特性が生きるという経験が自分の中で物凄く大きな発見でした。大学2年まで『味方の上がりを待つ』なんて考え方は一切ありませんでしたから(笑)」
 
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