乱高下の激しさがクラブ史の深み
【ベスト11選出理由】
印象に残る選手を思いつくままに並べたら、クセの強い集団となった。前線は04、05年にコンビを組んだふたり。アカデミー出身者は西川と清武を選出。監督は将来性のある片野坂監督だ。
【大分トリニータの平成史】
クラブ創設661日目という史上最短記録でJFLへと駆け上がったものの、99年から3年連続して寸前のところでJ1昇格を逃した。03年についに昇格を果たしたが、その後4度も降格の危機に瀕し、しかし、奇跡を起こしてJ1残留を成し遂げた。
印象に残る選手を思いつくままに並べたら、クセの強い集団となった。前線は04、05年にコンビを組んだふたり。アカデミー出身者は西川と清武を選出。監督は将来性のある片野坂監督だ。
【大分トリニータの平成史】
クラブ創設661日目という史上最短記録でJFLへと駆け上がったものの、99年から3年連続して寸前のところでJ1昇格を逃した。03年についに昇格を果たしたが、その後4度も降格の危機に瀕し、しかし、奇跡を起こしてJ1残留を成し遂げた。
クラブ経営においても、97年のメインスポンサー撤退や05年のスポンサー料未払い問題、09年の経営問題など、クラブ存続の危機に遭いながら、サポーターや大分県民、行政、企業が一体となり、大きな壁を乗り越えてきた。09年、13年と2度もJ2に降格し、15年にはJ3へと降格したが、V字回復で今季J1に帰ってきた。この起伏の激しさが歴史の豊かさであり、失敗や悲哀がクラブ史に深みを添えている。
この乱高下の激しいクラブにおいて、今も燦然と輝くのがユニホームのエンブレムの上にあるひとつの星。08年のナビスコカップ制覇によって手にした初タイトルだ。イタリア代表の「カテナチオ」とクラブのマスコットであるカメのニータンを掛け合わせ「カメナチオ」と言われた鉄壁の守備を武器に、九州のクラブとして初となるタイトルを獲得した。やはり、この時代が大分の黄金期だと言えるだろう。
文●柚野真也(スポーツライター)
『サッカーダイジェスト』5月9日号(4月25日発売)では、Jリーグ厳選20クラブの平成30年史を特集。番記者が選んだ「平成ベストイレブン」のほか「平成5大ニュース」「名勝負ベスト3」などをお届け。