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村井チェアマンが語る「Jリーグ再開へ、無観客試合開催の絶対条件」【単独インタビュー】

カテゴリ:Jリーグ

増島みどり(スポーツライター)

2020年05月01日

「各クラブに出資できる資金借り入れの幅は広げておく」

昨年度は神戸と鹿島で決勝が行なわれた天皇杯も今年度は新型コロナウイルスの影響で大会方式を大幅に変更している。写真:徳原隆元

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――最短の再開は(5月9日の1か月後とした場合)6月になります。

村井 プレミアリーグにならって3週間前に選手に告知するとして5月中旬ですが、緊急事態宣言がどうなるか、ここは分からない。ただ、再開を決断する材料というのは、私は持っているし、この優先事項がブレなければ、たとえ、朝令暮改となっても方向性が違ってしまうような事態には陥らないと思っている。

――判断の優先事項とは?

村井 第一に、国民、それは選手も含めて、健康に対して問題が起きないか。次にエンタテーメント、芸術も含めてですが、スポーツ文化を守れるか。3つめに、サポーター、応援して下さる方々に貢献できるのか。決断のプロセスをこのようにあらかじめ定めています。

ーー先日、チェアマンがコストの大幅な削減を求めていくとコメントしました。また経営状況については、鈴木徳昭氏(58歳=クラブ経営本部)が会見で、各クラブの合計で15億円ほど、リーグが最大5億円規模で約20憶円の減益が見込まれると試算していました。刻々とひっ迫する経営についてはどう対応しますか。

村井 今、配分金の前倒し、緊急融資、この2本の柱で対応しようと考えている。緊急に準備できる資金は、(公式試合安定開催資金の充当で)10億円と、Jリーグと関連事業会社で合わせて数十億円ほど準備できる。ただ、これからさらに資金を借り入れできる幅を広げ、何かあったら出資できるように融資枠を備えていく(注:4月28日、融資枠の設定を金融機関に求め、年間予算とほぼ同額の設定で承認を得たとチェアマンが発表。年間予算と想定すると200億円規模)。クラブライセンスがあって、日頃からクラブの債務超過、日常的な経営状況、財務基準をリーグ全体で把握してきたので、こうした状況になって実態を捉えやすい部分はあります。また資金繰りばかりではなく、できる備えもある。例えば税金。収入減によってかかる税金はどうなるか、どんな対応ができるか、今から税務局に話を聞いておくなど、できる策は準備する。コスト削減も含めて、万が一のための"止血策”とでもいうか、そういう考え方も大事になる。
 
――試合が行なわれない状況では、スタジアムに入る飲食の業者なども困窮している。

村井 先ほどの優先事項にもあった、スポーツ文化を守るには、サポーターが愛する地元クラブを守らなければならないし、ここまで築き上げてきたサッカーという産業も考えていかなくてはならないでしょう。

――プロ野球の「福岡ソフトバンクホークス」が、スタジアムグルメを「UBER EATS」で宅配すると発表し、ファンには自宅で観戦気分が味わえると好評のようです。

村井 NPBとの連携をする中で、日本で85年もの間ファンに支持されてきたプロ野球の力、歴史や経験がいかに素晴らしいかを改めて学ばせてもらっている。そうしたアイデア、知見であったり、資源を、野球とだけではなく、企業の皆さんやサポーターとも出し合えれば、こうした困難の中から新しい枠組みも作れるのではないか。
 
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