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「正直、余裕なんてありません」――吉田麻也の言葉から解くプレミア7年半の“サバイバル”記/後編【現地発】

カテゴリ:海外日本人

田嶋コウスケ

2020年02月13日

ソン・フンミンが吉田に送った言葉とは?

7年半の間にCBとして大きく成長した吉田には、韓国代表のエースも賛辞を送る。 (C) Getty Images

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 フランス代表FWオリビエ・ジルー(現チェルシー)に対しても、吉田は闘志を燃やした。

 高さと強さがあり、それでいて足もとの技術も秀逸なジルーは、前所属のアーセナル時代を含め、サウサンプトン戦を得意としていた。吉田は「毎回、毎回やられているから、ジルーだけには絶対にやられたくないと思っていた」と決意を語り、激しい肉弾戦を繰り広げた。

 また、吉田は、ピッチ上でしか分からない貴重な情報も教えてくれた。

 イングランド代表のエースであるFWハリー・ケインについては「そんなに身体は大きくないけど、実は身体がめちゃくちゃ強いんですよ」と、フィジカルの強さが武器であると語っていた。

 アーセナルのMFメスト・エジルについても、「ボールの持ち方が非常にいやらしくて、取れそうで取れないところにボールを置いてくる。自分がコントロールできるところに保持している。だから、取れそうに見えて、実は取れない。バイタルエリア周辺をウロウロされると嫌ですね」と話していた。いずれも、取材席から眺めているだけでは知りえない情報ばかりだった。

 こうして改めて振り返ると、吉田のプレミアリーグでの7年半は、「サバイバル」の一言に集約できるように思う。チーム内では熾烈なポジション争いに身を置き、一瞬たりとも気が抜けなかった。ピッチに飛び出しても、しのぎを削るのはワールドクラスのアタッカーたち。こうした刺激的な環境が、吉田をCBとして大きく成長させた。

 プレミアリーグで戦うことの難しさは、同じアジア人としてイングランドでプレーする韓国代表FWソン・フンミンも痛いほど知っている。吉田のイタリア1部サンプドリアへのレンタル移籍発表後、イングランドで身を削ってきた日本代表DFについて次のように語った。

「競争の激しいプレミアリーグで7年半も戦い続けた事実が、彼の偉大さを物語る。本当に凄いことだよ。同じアジア人として、とても誇りに思う。イタリアでの幸運を祈っている」

 さらなる成長を期してイタリアへと旅立った吉田麻也。プレミアリーグでの経験は、新天地サンプドリアでも大きな武器になるのは間違いない。

取材・文●田嶋コウスケ
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