「ボアテングの不在をピッチ内外で感じる」。
荻原氏:サッスオーロに来てすぐ、ケビン=プリンス・ボアテングを熱心に勧誘したそうですね(毎日3回も電話したと話題に)。彼のどこが気に入ったのでしょうか?
「ボアテングのテクニカルなクオリティー、そしてパーソナリティーがチームに欲しかったからだ。私の戦術的な考え方にも、サッスオーロの環境にも合致すると思った。その見立ては間違っていなかったよ。ところが彼は、1月になってバルセロナに行きたいと言い出した。クラブも私もガッカリしたよ。でも、仕方がないね。彼は十分に素晴らしいキャリアと人生を、さらに充実させたかったんだろう(ボアテングは18年夏に加入したサッスオーロで「偽のCF」として活躍したが、19年1月にバルサへレンタル移籍した)」。
荻原氏:後半戦はボアテングの不在を強く感じますか?
「ああ。私は選手たちにすごく愛情を感じるタイプなんだ。良くも悪くも、すごくダイレクトで個人的な関係を築くからね。情が沸くよ。ピッチの上では絶対的な不在を感じる。でも、ピッチの外でも同じだよ。毎朝ずっと挨拶していた人間が、急にいなくなったんだからね。監督としても、人間として寂しく感じる。用具係やマッサージャーがいなくなっても同じさ」
「ボアテングのテクニカルなクオリティー、そしてパーソナリティーがチームに欲しかったからだ。私の戦術的な考え方にも、サッスオーロの環境にも合致すると思った。その見立ては間違っていなかったよ。ところが彼は、1月になってバルセロナに行きたいと言い出した。クラブも私もガッカリしたよ。でも、仕方がないね。彼は十分に素晴らしいキャリアと人生を、さらに充実させたかったんだろう(ボアテングは18年夏に加入したサッスオーロで「偽のCF」として活躍したが、19年1月にバルサへレンタル移籍した)」。
荻原氏:後半戦はボアテングの不在を強く感じますか?
「ああ。私は選手たちにすごく愛情を感じるタイプなんだ。良くも悪くも、すごくダイレクトで個人的な関係を築くからね。情が沸くよ。ピッチの上では絶対的な不在を感じる。でも、ピッチの外でも同じだよ。毎朝ずっと挨拶していた人間が、急にいなくなったんだからね。監督としても、人間として寂しく感じる。用具係やマッサージャーがいなくなっても同じさ」
荻原氏:サッスオーロは外国人選手も多いので、マネジメントが難しくないですか? ボアテングはかつてミランにもいたので言葉の問題はなかったと思いますが。
「ボアテングはそうだね、言葉の問題はなかった。でも、文化的に私は自由だから。何を食べようが、何時にお祈りしようが構わない」
荻原氏:選手たちとはイタリア語で話すんですか?
「いや、私はスペイン語も話すよ。かなり喋れる。英語はスペイン語を勉強したらちょっと忘れてしまったけどね。言語は大事だよ。でも、サッカーはいわば国際語があって、一旦ピッチに入ると実際に話す言葉は違っても、通じるものなんだ。サッカー語っていうのかな」
荻原氏:他国のリーグも見ますか?
「ああ、1日に48時間あったら、もっと見られるんだけどね(笑)。でも24時間しかないから、トレーニング、仕事、食事、睡眠で大抵は埋まってしまう。どうしても観たい試合があれば観る程度かな。チャンピオンズ・リーグとかね」
荻原氏:どういう視点で試合を観ていますか?
「やっぱりほぼ常に監督としての視点から。だから戦術だよ。何かヒントを得たり、後で選手たちに見せられるようにクリップを作ったり。カンピオーネ(名手)の出ている試合は、なおいいね。指導したことのある選手が出ている試合、自分が在籍したことのあるクラブは別だけどね。それはファンのひとりとして楽しんでいる」
取材:荻原千佳子
※『ワールドサッカーダイジェスト』3月20日発売号の独占インタビューでは、デ・ゼルビ監督がポジショナルプレーの基本原理やグアルディオラとの交流など、戦術論と監督論を語り尽くす。
【プロフィール】
Roberto DE ZERBI(ロベルト・デ・ゼルビ)/1979年6月6日生まれ、イタリアのブレッシャ出身。現役時代は左利きの攻撃的MFで、ミランの下部組織で育成される。モンツァ(当時2部)でプロデビューし、フォッジャ、カターニャ、ナポリなど主に下部リーグのクラブを渡り歩き、ルーマニアのクルージュ時代にはCLにも出場した。2013年6月にトレント(4部)で現役引退し、その4か月後にはダルフォ・ボアーリオ(4部)で監督キャリアをスタート。14年夏から16年8月まで率いたフォッジャ(3部)でポジショナルプレーを基本とした攻撃サッカーで注目を集め、16年9月にはパレルモでセリエA初挑戦。17-18シーズンは途中就任でベネベントを指揮し、今シーズンからサッスオーロを率いている。
「ボアテングはそうだね、言葉の問題はなかった。でも、文化的に私は自由だから。何を食べようが、何時にお祈りしようが構わない」
荻原氏:選手たちとはイタリア語で話すんですか?
「いや、私はスペイン語も話すよ。かなり喋れる。英語はスペイン語を勉強したらちょっと忘れてしまったけどね。言語は大事だよ。でも、サッカーはいわば国際語があって、一旦ピッチに入ると実際に話す言葉は違っても、通じるものなんだ。サッカー語っていうのかな」
荻原氏:他国のリーグも見ますか?
「ああ、1日に48時間あったら、もっと見られるんだけどね(笑)。でも24時間しかないから、トレーニング、仕事、食事、睡眠で大抵は埋まってしまう。どうしても観たい試合があれば観る程度かな。チャンピオンズ・リーグとかね」
荻原氏:どういう視点で試合を観ていますか?
「やっぱりほぼ常に監督としての視点から。だから戦術だよ。何かヒントを得たり、後で選手たちに見せられるようにクリップを作ったり。カンピオーネ(名手)の出ている試合は、なおいいね。指導したことのある選手が出ている試合、自分が在籍したことのあるクラブは別だけどね。それはファンのひとりとして楽しんでいる」
取材:荻原千佳子
※『ワールドサッカーダイジェスト』3月20日発売号の独占インタビューでは、デ・ゼルビ監督がポジショナルプレーの基本原理やグアルディオラとの交流など、戦術論と監督論を語り尽くす。
【プロフィール】
Roberto DE ZERBI(ロベルト・デ・ゼルビ)/1979年6月6日生まれ、イタリアのブレッシャ出身。現役時代は左利きの攻撃的MFで、ミランの下部組織で育成される。モンツァ(当時2部)でプロデビューし、フォッジャ、カターニャ、ナポリなど主に下部リーグのクラブを渡り歩き、ルーマニアのクルージュ時代にはCLにも出場した。2013年6月にトレント(4部)で現役引退し、その4か月後にはダルフォ・ボアーリオ(4部)で監督キャリアをスタート。14年夏から16年8月まで率いたフォッジャ(3部)でポジショナルプレーを基本とした攻撃サッカーで注目を集め、16年9月にはパレルモでセリエA初挑戦。17-18シーズンは途中就任でベネベントを指揮し、今シーズンからサッスオーロを率いている。