「イタリア版ペップ」の強いこだわりと柔軟性とは?【独占インタビュー】

カテゴリ:ワールド

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2019年03月21日

「クオリティーに絶対的な真理はない」。

デ・ゼルビは相手にかかわらず攻撃サッカーを貫く。イタリアでは異例の指揮官だ。写真:Getty Images

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荻原氏:では、セリエAは必ずしもクオリティーが向上しているとは言えないということでしょうか?
 
「いや、そうじゃないんだ。まず、プレーのクオリティーとはなんだろう? 主観的なものだから、誰も真理を持っていないんだ。ある監督にとっては、守備を固めてカウンターからゴールを目指すスタイルがクオリティーの高い戦い方だ。また別の監督は、前に人数をかける攻撃的なスタイルがクオリティーだと信じ、仮に試合に負けても『良い試合だった』と言う。それがサッカーの面白いところだよ。万人が納得する絶対的な真実はないのさ。だから、他人の考え方やスタイルをリスペクトすれば、それでいいんだよ」
 
荻原氏:セリエAやイタリア代表がかつての競争力を取り戻すには、必ずしも攻撃的なスタイルをする必要はないということでしょうか?
 
「かつてイタリアが強かったのは、素晴らしいカンピオーネ(名手)がたくさんいたからだ。だからもちろん、選手が大きな差を付ける。スタイルや思想も大事だけど、それ以上に選手のクオリティーが大事だ。私も常に選手の能力や特徴を考えてチーム作りをしているよ」
 
荻原氏:かつてセリエA昇格やヨーロッパリーグ出場権獲得に導くなどチームを躍進させたエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督(3月7日にローマ指揮官を解任された)は、サッスオーロにとっていわばレジェンドです。比較されることも多いですよね?
 
「そうだね。彼のすぐ後じゃなくて助かったよ(笑)。1年間くらい時間が空いていたからね。でも、立派な監督が通った後のクラブに行くのを、怖がってはいけないと思うんだ。もちろん彼のクローンになるつもりはないけど、クラブの過去をすべて清算する必要なんてないさ。すべてを変えようとは思っていない。まず彼の偉業をしっかりとリスペクトする。そのうえで私の考え方を上積みしようと思ってやってきた。私たちは人間的にも戦術的にも異なるからね。比較することに意味はない。お互いをリスペクトすればそれで十分さ」
 
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