【セルジオ越後の天国と地獄】新監督を発表する前に、協会は惨敗の責任をとるべきでは?

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年07月31日

現実逃避に見えかねない柿谷と山田の移籍。相当な覚悟が必要だ。

C大阪で、チームを立て直すことのほうがよほど厳しく、やり甲斐のある仕事のはずだが……。(C) SOCCER DIGEST

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 スイスのバーゼルに移籍した柿谷が入団会見した。この内容は日本でも大々的に報じられたし、スカパーで今シーズン、バーゼルの試合を全試合、中継するようだ。また、ジュビロの山田がドイツ2部のカールスルーエに移籍することも決まった。
 
 そこでまずマスコミに求めたいのは、バーゼルやカールスルーエのレベルに目を向けることなく、ただ、欧州のリーグでプレーしているというだけで持ち上げるスタンスを止めるべきだということ。リーグのレベルを無視して、ちょっと良いプレーをしただけで、さも大活躍しているように伝え、国民を騙すような報道からいい加減に卒業してほしい。
 
 選手も勘違いするし、国民の期待も過度に上がるだけで、良いことなんてなにひとつない。こうして騙してきた結果、実はたいしたことがなかったのが白日のもとに晒されたのが、今回のワールドカップだったということを忘れてはいけないよ。
 
 さて、彼らの移籍だけど、僕は正直、がっかりしている。ワールドカップで力不足を痛感したという柿谷は、セレッソでの会見で「厳しい環境になると思うが、今後につなげていきたい」と語ったようだけど、僕は、バーゼルでプレーすることより、セレッソで8番を背負い、低迷するチームを自分の力で立て直すことのほうが、よほど厳しくやり甲斐のある挑戦だと思う。
 
 なぜ、ワールドカップで活躍できなかったのか。なぜ、スタメンで起用してもらえなかったのか。力不足以前に、メンタル面の問題、プレッシャーに押し潰されてしまったからなんじゃないかな。
 
 それは代表に限らず、今シーズンの前半戦もそうだったよね。まださほど実績を残してないにもかかわらず、世間の注目とサポーターの期待が過度に高まり、そのプレッシャーに苛まれた結果、リーグ戦でたった1ゴールしか挙げられなかった。セレッソが低迷している要因のひとつは、間違いなく柿谷の不調にあった。今回の欧州移籍は、そうした環境、状況から単に逃げ出しただけなんじゃないのって感じるよ。
 
 山田も同じ。ジュビロの背番号10を担い、キャプテンも務めたのに、チームは昨季、J2に降格した。チームとして1年でのJ1復帰を目標に掲げながら、シーズン半ばでチームを離れるというのは、あまりに無責任。ジュビロをJ1に復帰させてから、退団するのが筋だろう。
 
 欧州でのプレーは彼らにとっての夢なのかもしれない。でも、現状では、〝現実逃避〞なんじゃないかと思えてしまう。ただし、そう見られるのも覚悟のうえなんだろう。そうした見方を覆せるかどうかは、今後の結果次第になる。バーゼルやカールスルーエで活躍し、ビッグクラブに移籍して初めて、彼らにとって本当に厳しい挑戦が始まるよ。
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