W杯 日本代表総括|良き指導者であっても勝負師ではなかったザッケローニ監督の限界

カテゴリ:日本代表

原山裕平

2014年06月30日

選手からの信頼を一身に集め、サブ組とも良好な関係を築く。

ブラジルでは結果を残せなかったものの、日本サッカーに明確な指針を与えた点ではザッケローニ監督を評価すべきだろう。 (C) SOCCER DIGEST

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 アルベルト・ザッケローニは果たして優れた監督だったのか。アジアカップ優勝を皮切りに、イタリア人指揮官に率いられた日本代表は、ワールドカップ予選でもほとんどつまずくことなく、安定して結果を出し続けた。東アジアカップも制し、ことアジアの戦いでは圧倒的な強さを示してきた。その点に関して、ザッケローニ監督は評価されるべきだろう。

【日本代表photo|大会総括記者会見】
 
「勇気とバランス」というキーワードを掲げ、攻撃的なスタイルを標榜したことも日本サッカー界にとっては重要で、意義があった。
 
 日本協会の原博実専務理事は「この4年間、日本らしいサッカーを追い求め、アンダーカテゴリーでもボールを早く動かしてピッチを広く使いながら、アグレッシブなサッカー、速い攻めのサッカーをやってきた。目指してきた方向性は間違いじゃない」と、ザッケローニ監督の仕事に対して一定の評価を与えている。サッカーの方向性にはより一層の精査が必要だろうが、守備を重視し結果を出したものの、まるで生産性のなかった南アフリカ大会時のサッカースタイルと比べれば、希望が持てるそれを志していたのは間違いない。
 
「最後の監督の言葉を聞いて、本当に胸がいっぱいで。勝たせてあげられなかったから……。そこが本当に悔しくて……」
 コロンビア戦の翌日、長友佑都が涙ながらに語ったように、ザッケローニ監督は選手たちの気持ちをしっかりと掴んでいた。キャプテンの長谷部誠は指揮官との4年間をこう振り返る。
 
「こういう風にやりたいと伝えてくる一方で、『君たちがそれでもこっちのほうがいいというのなら、私はそれを尊重する』と常にそう言ってくれた。頭ごなしに、これはダメだと言われたことは一度もない。なんでも言い合える良い関係だったと僕は思っています」
 
 これは試合に出続けた主力だけの思いではなく、サブ組も同様に指揮官と良好な関係を築いていたようだ。
 
「常に選手を見てくれていたし、信頼してくれているというのは言葉だけじゃなく、態度からも伝わってきた。そういう監督ってなかなかいない。僕はこの代表に入って3年くらいですけど、すごく良い経験をしたなと思うし、ザックさんには本当に感謝しています」
 
 そう語るのは、代表の常連でありながら、なかなか出場機会に恵まれなかった清武弘嗣だ。サブに甘んじ、腐ってもおかしくはない状況だったが、清武がモチベーションを保ちつづけられたのは、ザッケローニ監督の繊細なアプローチがあったからだろう。その意味でザッケローニ監督は、選手からの信頼を一身に集めた、良き指導者だったと言える。

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