一振りで評価を高めたのが――。
今大会で最大の驚きを提供したコスタリカ。その立役者のひとりがホエル・キャンベル(22歳/オリンピアコス)だ。驚異的な突破力と意外性のあるパス、正確な左足のシュートは強力だ。ウルグアイとの初戦では右クロスに合わせ冷静にネットを揺らすと、絶妙なスルーパスでマルコ・ウレーニャのゴールをアシストした。
大会が進むにつれてトーンダウンしてしまったのは、初の大舞台で心身の疲労が蓄積したからだろう。それでも、ベスト8に勝ち上がったコスタリカの大躍進は、アーセナルが保有権を持つキャンベルを抜きには語れない。
キャンベルと同じ22歳のMFイエルティン・テヘダ(22歳/サプリサ)の奮闘も目を引いた。5バックの手前で幅広く動き、ピンチの芽を丹念に摘み取れば、素早く正確なパスで鋭いカウンターの起点となった。
国内リーグに所属する若者は、世界の猛者たちと互角以上に渡り合ったことで、大きな自信手に入れたはず。プレミアリーグの複数クラブが獲得に動いているとも噂されており、欧州で活躍する姿を見る日は遠くないはずだ。
一振りで評価を高めたのが、アメリカ代表のユリアン・グリーン(19歳/バイエルン)だ。ラウンド・オブ16のベルギー戦で延長前半に2失点すると、ユルゲン・クリンスマン監督は若きアタッカーをピッチに送り出した。その2分後だった。
マイケル・ブラッドリーの浮き球のパスに反応し、DFラインの背後に抜け出したグリーンは、ノートラップで右足を振り抜き、名手ティボー・クルトワを破ったのだ。
バイエルンのBチームで類稀な決定力を見せ、近未来のドイツ代表の主力候補として期待されていた新星は、母国として選択したアメリカを新たな次元に導くエースとして大きな可能性を示した。
オランダ代表のメンフィス・デパイ(20歳/PSV)、惨敗したイングランド代表で確かな輝きを放ったラヒーム・スターリング(19歳/リバプール)、ベスト8に進出したフランス代表の主軸として奮闘し、自国開催となるEURO2016に期待を抱かせたポール・ポグバ(21歳/ユベントス)など、才能を煌めかせた若手は少なくなかった。
彼らが本当の意味で主役となるのは4年後のロシア大会だ。クラブシーンや代表の各コンペティションを通じて、この4年間でどんな成長を遂げるのか。もちろん、今大会では輝きを放てなかった、あるいは予選で敗れ去った「未知なる新星たち」にも期待したい。
取材・文:河治良幸
大会が進むにつれてトーンダウンしてしまったのは、初の大舞台で心身の疲労が蓄積したからだろう。それでも、ベスト8に勝ち上がったコスタリカの大躍進は、アーセナルが保有権を持つキャンベルを抜きには語れない。
キャンベルと同じ22歳のMFイエルティン・テヘダ(22歳/サプリサ)の奮闘も目を引いた。5バックの手前で幅広く動き、ピンチの芽を丹念に摘み取れば、素早く正確なパスで鋭いカウンターの起点となった。
国内リーグに所属する若者は、世界の猛者たちと互角以上に渡り合ったことで、大きな自信手に入れたはず。プレミアリーグの複数クラブが獲得に動いているとも噂されており、欧州で活躍する姿を見る日は遠くないはずだ。
一振りで評価を高めたのが、アメリカ代表のユリアン・グリーン(19歳/バイエルン)だ。ラウンド・オブ16のベルギー戦で延長前半に2失点すると、ユルゲン・クリンスマン監督は若きアタッカーをピッチに送り出した。その2分後だった。
マイケル・ブラッドリーの浮き球のパスに反応し、DFラインの背後に抜け出したグリーンは、ノートラップで右足を振り抜き、名手ティボー・クルトワを破ったのだ。
バイエルンのBチームで類稀な決定力を見せ、近未来のドイツ代表の主力候補として期待されていた新星は、母国として選択したアメリカを新たな次元に導くエースとして大きな可能性を示した。
オランダ代表のメンフィス・デパイ(20歳/PSV)、惨敗したイングランド代表で確かな輝きを放ったラヒーム・スターリング(19歳/リバプール)、ベスト8に進出したフランス代表の主軸として奮闘し、自国開催となるEURO2016に期待を抱かせたポール・ポグバ(21歳/ユベントス)など、才能を煌めかせた若手は少なくなかった。
彼らが本当の意味で主役となるのは4年後のロシア大会だ。クラブシーンや代表の各コンペティションを通じて、この4年間でどんな成長を遂げるのか。もちろん、今大会では輝きを放てなかった、あるいは予選で敗れ去った「未知なる新星たち」にも期待したい。
取材・文:河治良幸