西野ジャパンがロシアW杯で躍進できた“3つの理由”

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2018年07月06日

本田も西野監督のあの采配に脱帽

西野監督は基本的にアグレッシブな采配をふるった。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

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 最大のハイライトは、大きな話題にもなったあの時間稼ぎだ。グループリーグ3戦目のポーランド戦で、日本は59分に先制を許す。だが、そのあと他方の試合でコロンビアがセネガルを1-0とリードし、このままならコロンビアが1位、日本が2位で勝ち抜けという状況になった。そこで西野監督が選択したのが“敗戦を受け入れての他力本願”だった。
 
 指揮官自身も「究極の選択」と言っていたように、セネガルが追いつく可能性もあったわけで一世一代のギャンブルでもあった。それでも、西野監督はこの賭けに勝つ。
「自分の心情とすれば不本意です。でも選手に遂行させました。ただワールドカップはそういう戦いもあって、その選択が正解と出れば、それは勝負に勝ったということなのかなと、自分の中ではそう思いました」
 
 結果的に、日本はセネガルと勝点、得失点差、総得点が同じで、直接対決も引き分けたが、退場数と警告数で算出するフェアプレーポイント──「イエローカード2枚」の差──でセネガルより優位に立ち、グループ2位を確保したのである。
 
 ポーランド戦でスタメン6人を入れ替えた大胆策は選手個々のパフォーマンス、0-1という状況を作り出したことを踏まえれば失敗に映ったが、こと時間稼ぎについてはなんら批判されるようなものではない。むしろワールドカップの大舞台で狡猾な戦い方をしている日本に誇りすら感じた。ベンチからチームを眺めていた本田も、この西野采配を次のように評価している。
 
「西野さんがリスクを取りに行って、結果的に素晴らしい采配だったと思っています。僕が監督でもこの采配はできなかったので。いや、本当に結果が出た。結果がすべてだと思います。それは西野さんが凄いなと今日に限っては本当にそう思いました」
 
 ポーランド戦の時間稼ぎを除けば、西野監督の采配はあくまでアグレッシブだった。長友佑都はベルギー戦を前に「強気で行くぞ」と言われたことが印象的だったという。

「『引いて守るサッカーじゃないよ』と。『前からみんなでプレッシャーをかけて、守備をして、あいつらをビビらせろ』と。その『強気で行くぞ』という言葉には大きく心が響きましたね。あの状況でなかなか言える言葉ではないのかなと思いますけど」(長友)
 
 ベルギーに2-3と好勝負を演じられたのも、西野監督の強気の采配があったからかもしれない。
 
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