ジャイアントキリングの必須条件は、ベルギーに先制点を与えないこと
繰り返しになるが、プロの世界は結果がすべてだ。ワールドカップの目的は、あくまでも世界に挑戦し、勝利を収めることにある。現状の日本の力がどこまで世界に通用するのか、真剣勝負で試すことのできる舞台において、試合を重ねるごとに、西野監督の采配がクローズアップされ、日を追うごとに選手たちとの絆も固くなっている。指揮官のジャッジひとつで、チームもどちらに転がるか分からない。そうしたなか、西野監督の采配は日本を良い方向へと導き、そして2位通過ながらグループリーグ突破を果たしたのだから、現状で言えば、今大会のノルマはクリアしたと言えるだろう。
もちろん、このグループリーグ3試合で評価を上げたのは、西野監督だけではない。ワールドカップでプレーしている日本の選手たちに対して、ヨーロッパのスカウト陣たちも当然目を光らせている。大迫、柴崎、酒井宏、乾の4選手はさらに選手としての価値を上げたはずだ。もっとも、酒井宏はフランスの名門マルセイユでレギュラーとしてプレーしている選手。本田、香川、長友よりもすでにその価値は高く、日本代表チームのなかでもっとも高い評価を得ている。乾は新天地のベティスでさらなるステップを踏むことになるだろう。大迫、柴崎はそれぞれ28歳、26歳で、これからビッグクラブ移籍のチャンスは十分にありえる。
さて、次の対戦相手はベルギーだ。両チームともコンディションは万全だ。グループリーグ3戦目のイングランド戦で、ベルギーは日本の6枚替えを上回る“9枚替え”で臨み、1対0で勝利している。ベルギーにはルカクという規格外のストライカーをはじめ、アザールやデ・ブルイネといった超一流の選手がいる。メルテンスも非常に怖い選手である。
昨年11月に対戦したテストマッチとは明らかにシチュエーションが違う。まさに“トップ・トップ”との真剣勝負となる。“ジャイアントキリング”の必須条件は、ポーランド戦でようやく復調を遂げた守護神・川島率いるディフェンス陣が、ベルギーに先制点を与えないこと。0対0で前半を折り返すことができれば……。日本にも十分勝機が見えてくるはずだ。
◆プロフィール
藤田俊哉(ふじた・としや)/1971年10月4日生まれ、静岡県出身。清水市商高-筑波大-磐田-ユトレヒト(オランダ)-磐田-名古屋-熊本-千葉。日本代表24試合・3得点。J1通算419試合・100得点。J2通算79試合・6得点。J1では、ミッドフィルダーとして初めて通算100ゴールを叩き出した名アタッカー。2014年からオランダ2部VVVフェンロのコーチとして指導にあたり、16-17シーズンのリーグ優勝と1部復帰に導いた。新シーズンよりイングランドのリーズ・ユナイテッドでスタッフ入り。また、今年7月より藤田俊哉×H.I.S.ブログ『藤田俊哉サロン』がスタート
もちろん、このグループリーグ3試合で評価を上げたのは、西野監督だけではない。ワールドカップでプレーしている日本の選手たちに対して、ヨーロッパのスカウト陣たちも当然目を光らせている。大迫、柴崎、酒井宏、乾の4選手はさらに選手としての価値を上げたはずだ。もっとも、酒井宏はフランスの名門マルセイユでレギュラーとしてプレーしている選手。本田、香川、長友よりもすでにその価値は高く、日本代表チームのなかでもっとも高い評価を得ている。乾は新天地のベティスでさらなるステップを踏むことになるだろう。大迫、柴崎はそれぞれ28歳、26歳で、これからビッグクラブ移籍のチャンスは十分にありえる。
さて、次の対戦相手はベルギーだ。両チームともコンディションは万全だ。グループリーグ3戦目のイングランド戦で、ベルギーは日本の6枚替えを上回る“9枚替え”で臨み、1対0で勝利している。ベルギーにはルカクという規格外のストライカーをはじめ、アザールやデ・ブルイネといった超一流の選手がいる。メルテンスも非常に怖い選手である。
昨年11月に対戦したテストマッチとは明らかにシチュエーションが違う。まさに“トップ・トップ”との真剣勝負となる。“ジャイアントキリング”の必須条件は、ポーランド戦でようやく復調を遂げた守護神・川島率いるディフェンス陣が、ベルギーに先制点を与えないこと。0対0で前半を折り返すことができれば……。日本にも十分勝機が見えてくるはずだ。
◆プロフィール
藤田俊哉(ふじた・としや)/1971年10月4日生まれ、静岡県出身。清水市商高-筑波大-磐田-ユトレヒト(オランダ)-磐田-名古屋-熊本-千葉。日本代表24試合・3得点。J1通算419試合・100得点。J2通算79試合・6得点。J1では、ミッドフィルダーとして初めて通算100ゴールを叩き出した名アタッカー。2014年からオランダ2部VVVフェンロのコーチとして指導にあたり、16-17シーズンのリーグ優勝と1部復帰に導いた。新シーズンよりイングランドのリーズ・ユナイテッドでスタッフ入り。また、今年7月より藤田俊哉×H.I.S.ブログ『藤田俊哉サロン』がスタート