「西野監督は限界を露呈した」仏誌・編集長はなぜそう考えるに至ったのか

カテゴリ:日本代表

レミー・ラコンブ(フランス・フットボール誌編集長)

2018年07月01日

あの最後のボール回しよりも問題は…

世界中で議論の的となっているポーランド戦の采配。ラコンブ編集長がむしろ疑問視したのは、西野監督による「前段階の決断」だ。(C)Getty Images

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 ポーランド戦最後の10分間で、日本代表はプレーを中止した。だからといって、私は日本人選手たちにも日本代表監督にも、石を投げつけるような真似はしない。
 
 かなりのリスクを伴うオプションだったが、結果的にその僅差での敗北のおかげで日本はグループリーグを突破できたのだ。ある意味では、ロジックなオプションだった。
 
 むしろポーランドのほうに最初の非があるだろう。それまでの2試合でなんらポジティブな要素を示せず、日本との最終戦でもリードを広げようと試みもしなかった。「敗退が決まっていても名誉を懸けてワールドカップの舞台を去るぞ」という意気込みは微塵も感じさなかったのだから。

 
 よってあの一連の問題点について、私は非難しない。むしろ大きな疑問点は別のところにあった。6人ものメンバー変更を行なった西野朗監督のチョイスには、やはり首を傾げざるを得ない。完全に突飛な不作法だった。ノックアウトラウンド進出が決まるかどうかの重要なゲームだ。にもかかわらず指揮官は、「何人かの選手には休息の必要があった」と説明した。とうてい同意できないし、成り立つ論理ではない。
 
 決断の結果はどうだったか。日本は攻撃面でなにも創り出せなかった、この一言に尽きる。理解不能なチームマネジメントによって、西野監督は手腕と力量の限界を露呈したのだ。
 
 チームをがらりと変えたことで、もしかすると日本はコロンビア戦、セネガル戦で披露したダイナミズムをも壊してしまったかもしれない。ベルギー戦に向けて日本が追い求めているのは「勝利」であり、「快挙」だろう。それを実現させるための楽観的な要素が、実のところほとんどないのである。
 
 グループリーグでもっとも好印象を残したチームのひとつであるベルギーを打ち負かすのは、並大抵ではない。サムライブルーは完璧なオーガナイズに依拠し、昇華を果たさなければならないだろう。だがそのためには、高次元の試練を経験し、選手たちに火を灯せる熟練の指揮官が必要になってくる。
 
 前任のヴァイド・ハリルホジッチはまさに、大きな山場でそれをやってのけられる人物だった。4年前に彼はアルジェリア代表とともにそれを証明している。まさにベスト8決定戦で、世界王者となるドイツと堂々渡り合い、延長戦の苦戦にまで追い詰めたのだ。「この試合に向けたプレパレーション(準備)についてだけで、一冊の本が書けるほどだよ」と、当時彼は私にこう打ち明けたものだった。
 
 ベルギー戦へのアプローチで、西野監督も「一冊の本」が書けるだろうか。はなはだ疑問である。
 
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