接戦の連続が互いの進化を生む
後半に入り、ゴールへ向かう、相手の逆を取る、というベースの部分を取り戻した名古屋が、湘南へ襲いかかる。一方、前半と一転して持たれる時間が増えた湘南。この展開に高山薫は、はっきりと嫌悪感を示していた。「(名古屋は)距離感がすごく良いから、そこで体力を奪われる。ああいう名古屋の繋ぎをされるとこっちも嫌だった」
湘南も相手をはめ込んでからのカウンターでチャンスは作っていたが、ペナルティボックス内での冷静さやパスとシュートの正しい判断に欠けてネットを揺らせず。名古屋もまた最終局面でのディテールに欠け、結果的に無得点となってしまった。
冒頭に述べた5か月前の対戦では、湘南の石川俊輝は名古屋のクオリティに白旗を上げるような発言をしていた。しかし、今回の彼の表情は勝利を“逃した”悔しさに溢れており、それゆえ湘南の成長を感じられたものだ。石川の言葉が試合を端的に表わしている。
「お互い自分たちのやりたいようなことを出し合ったゲームだと思いますけど、最後の最後でお互い相手の良さを潰したのかな、と」
曺貴裁と風間八宏。この両指揮官の対峙では“どちらかが圧倒して勝つ”ということがなく、接戦がほとんどだ。しかも、ぶつかり合うたびに毎度進化が見られる。だからこそ観る者を引き込むカードになるのではないか、と思う。
取材・文●竹中玲央奈(フリーライター)
湘南も相手をはめ込んでからのカウンターでチャンスは作っていたが、ペナルティボックス内での冷静さやパスとシュートの正しい判断に欠けてネットを揺らせず。名古屋もまた最終局面でのディテールに欠け、結果的に無得点となってしまった。
冒頭に述べた5か月前の対戦では、湘南の石川俊輝は名古屋のクオリティに白旗を上げるような発言をしていた。しかし、今回の彼の表情は勝利を“逃した”悔しさに溢れており、それゆえ湘南の成長を感じられたものだ。石川の言葉が試合を端的に表わしている。
「お互い自分たちのやりたいようなことを出し合ったゲームだと思いますけど、最後の最後でお互い相手の良さを潰したのかな、と」
曺貴裁と風間八宏。この両指揮官の対峙では“どちらかが圧倒して勝つ”ということがなく、接戦がほとんどだ。しかも、ぶつかり合うたびに毎度進化が見られる。だからこそ観る者を引き込むカードになるのではないか、と思う。
取材・文●竹中玲央奈(フリーライター)