あのGKヘッド弾も… 数々の名シーンを演出した石川竜也がコーチ転身を決めた理由

カテゴリ:Jリーグ

頼野亜唯子

2018年01月16日

山形での数々の名シーン。輝きを放ったのはやはり左足のプレースキックだった。

2014年のJ1昇格プレーオフでは、準決勝の磐田戦でGK山岸の決勝ヘッドを演出。決勝の千葉戦を制したチームはJ1昇格を決めた。(C) SOCCER DIGEST

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 東京Vへの半年間の期限付移籍を経て07年に山形に期限付移籍すると、当時の樋口靖洋監督の信頼と山形のファンの心をがっちり掴む。そして以後11年にわたり山形の中心選手であり続けたのみならず、記憶に残るプレーでクラブのレジェンドとなった。
 
 移籍した翌年、小林伸二監督が就任した山形はクラブ初のJ1昇格を成し遂げるのだが、昇格が決まったアウェー愛媛戦での直接FKは今もファンの間で語り継がれている。1-2のビハインドで迎えた88分、右斜めの角度から彼が左足を振り抜くと、ボールはまるで虹をかけるような美しい弾道で、動けないGKの頭上を越えゴールをとらえた。そして追いついた勢いのまま、アディショナルタイムには石川のロングフィードからのカウンターを豊田陽平が決め、劇的な勝利で歴史を作ったのである。
 
 J1での3年間を経てJ2に舞い戻り、再びJ1昇格のチャンスが訪れた2014年。リーグ6位で出場権を得た昇格プレーオフ準決勝はまだ鮮明な記憶だ。アディショナルタイムにCKからGK山岸範宏(北九州)がヘッドで決めた、あのゴールである。
 
 引き分けなら敗退という条件で戦ったアウェー磐田戦は1-1のまま90分を回ったが、石川が右コーナーから「誰か触れ!」とニアに蹴り上げたボールに頭を届かせたのは、なんと敵陣ゴール前に上がって来ていたGKだった。山岸に折り重なるチームメートには合流せず、ゴール裏で狂喜するサポーターに向かってジャンプしながらガッツポーズを繰り返す石川の姿ごと、目に焼き付いて離れない。
 
 プレーオフ決勝で千葉を破り2度目のJ1昇格。天皇杯ではクラブ初の決勝戦進出。クラブが重い扉を開く時、そこに必ず石川がいた。
 
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