黄金世代のひとりがまたピッチを去ることに。
昨年11月、2017シーズン最終節を前に「石川竜也選手契約満了のお知らせ」というモンテディオ山形のリリースを目にした時の率直な感想は「やはり無理なのか」というものだった。それは、石川自身に現役続行の力が残っていないという意味での「無理」ではない。確かに2016年は怪我の影響で出場機会を減らしていたし、木山監督に代わった昨年はリーグ6試合の出場に止まった。それでも、サイドバックから3バックの一角へと主戦場を移し、最後尾からのフィードやコーチング、戦術眼には石川ならではのものがあった。
何より、石川の代名詞であり、山形のクラブの歴史を変えたと言っても過言ではない左足のキックは未だ健在なのである。練習から手を抜かずサッカーに全力を注ぐ石川が、チームの若い選手たちに与えた影響は計り知れない。たとえプレー時間は減っても、例えば札幌で小野伸二や稲本潤一が必要とされているように、石川が現役選手としてこのチームにいる意味は、価値は、まだあると思っていた。
しかし一方で、出場機会が減っているベテランを周囲への影響力という数字にできない評価込みで保有するには、ある程度の財政的余裕が必要だ。山形というクラブにその体力があるかと言えば難しいだろうとも感じていた。だから、「やはり無理なのか」と、ため息が漏れたのである。
もちろんクラブとしても石川の存在意義は十分に分かっていて、だからこそトップチームコーチ就任のオファーを出した。昨季終了時点では「まずは現役続行の道を探りたい」としていた石川は、オフの間にいくつかのクラブと接触したようだが、1月10日、現役引退とトップチームコーチ就任が発表された。
1979年生まれの38歳。黄金世代のひとりが、またピッチを去ることになった。
何より、石川の代名詞であり、山形のクラブの歴史を変えたと言っても過言ではない左足のキックは未だ健在なのである。練習から手を抜かずサッカーに全力を注ぐ石川が、チームの若い選手たちに与えた影響は計り知れない。たとえプレー時間は減っても、例えば札幌で小野伸二や稲本潤一が必要とされているように、石川が現役選手としてこのチームにいる意味は、価値は、まだあると思っていた。
しかし一方で、出場機会が減っているベテランを周囲への影響力という数字にできない評価込みで保有するには、ある程度の財政的余裕が必要だ。山形というクラブにその体力があるかと言えば難しいだろうとも感じていた。だから、「やはり無理なのか」と、ため息が漏れたのである。
もちろんクラブとしても石川の存在意義は十分に分かっていて、だからこそトップチームコーチ就任のオファーを出した。昨季終了時点では「まずは現役続行の道を探りたい」としていた石川は、オフの間にいくつかのクラブと接触したようだが、1月10日、現役引退とトップチームコーチ就任が発表された。
1979年生まれの38歳。黄金世代のひとりが、またピッチを去ることになった。