監督やチームメイトは擁護するが、数字は正直。
開幕以来、10月下旬までの1試合平均のパス本数は31。これは過去3年(3年前が28本、2年前が27本、昨シーズンが25本)と比べてもっとも高い数字で、ネイマールの退団により、組み立ての局面にも顔を出す機会が増えたことを裏付けている。それでもパス成功率は74.7%と過去3年(同じく75.5%、73.2%、73.8%)と同等のクオリティーを維持しているのはさすがだ。
一方、今シーズンの1試合平均のドリブル成功数は1.2回で、成功率は35.8%。こちらも昨シーズンの数字(それぞれ0.8回と29.2%)と大差はない。その一方でもっとも顕著な変化が見られるのは、CFとしての役割にダイレクトに反映される数字の部分だ。
「シュートチャンスがまったくないというのであれば、不安にもなるだろう。でも実際はそうではない」
開幕以来ゴール数が伸びないスアレスの現状を記者から質問されるたびに、バルベルデ監督もチームメイトも一様にこう擁護してきた。しかし、数字は正直だ。ここまでのゴール数は3。しかもその中で勝点獲得に直結したのはアトレティコ・マドリー戦で奪った1点のみだ(最終スコアは1-1)。
数値が低下しているのはアシスト数も同様で、過去3年、3本を下回ることがなかった1試合平均の枠内シュート数も1.4本と極めて低い数字が弾き出されている。
ただ、バルベルデ監督はこうも付け加える。
「ルイス(スアレス)の闘争心の高さは折り紙付きだ。ミスをすればするほどその闘争心に火が付くのは間違いないし、シュートチャンスを得ているということは、適切なポジション取りができている証でもある。だからわたしは、なにも心配していない。彼がチームに果たしている貢献度の高さは、お金では買えない価値がある」
10月24日に開催されたコパ・デル・レイのムルシア戦を、サスペンション(昨シーズンの準決勝で退場し、2試合の出場停止に)のため欠場したスアレスは、アヤックス時代に過ごしたオランダで数日間の休暇を満喫した。その効果があったのか、28日のアスレティック・ビルバオ戦ではいつにも増して溌溂としたプレーを見せた。
しかし、左サイド寄りを主戦場とするチーム内での役割に変化はなく、ペナルティーエリア内での存在感も低いまま。A・ビルバオ戦も放った枠内シュート数は1本のみにとどまった。
MSN解体後も、スアレスはゴールゲッターとしての真価を発揮しつづけることができるのか。大親友メッシとのCF受難の歴史に完全に終止符を打つ戦いは、これからも続いていくことになりそうだ。
文:ジョルディ・キシャーノ(エル・パイス紙/バルサ番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
一方、今シーズンの1試合平均のドリブル成功数は1.2回で、成功率は35.8%。こちらも昨シーズンの数字(それぞれ0.8回と29.2%)と大差はない。その一方でもっとも顕著な変化が見られるのは、CFとしての役割にダイレクトに反映される数字の部分だ。
「シュートチャンスがまったくないというのであれば、不安にもなるだろう。でも実際はそうではない」
開幕以来ゴール数が伸びないスアレスの現状を記者から質問されるたびに、バルベルデ監督もチームメイトも一様にこう擁護してきた。しかし、数字は正直だ。ここまでのゴール数は3。しかもその中で勝点獲得に直結したのはアトレティコ・マドリー戦で奪った1点のみだ(最終スコアは1-1)。
数値が低下しているのはアシスト数も同様で、過去3年、3本を下回ることがなかった1試合平均の枠内シュート数も1.4本と極めて低い数字が弾き出されている。
ただ、バルベルデ監督はこうも付け加える。
「ルイス(スアレス)の闘争心の高さは折り紙付きだ。ミスをすればするほどその闘争心に火が付くのは間違いないし、シュートチャンスを得ているということは、適切なポジション取りができている証でもある。だからわたしは、なにも心配していない。彼がチームに果たしている貢献度の高さは、お金では買えない価値がある」
10月24日に開催されたコパ・デル・レイのムルシア戦を、サスペンション(昨シーズンの準決勝で退場し、2試合の出場停止に)のため欠場したスアレスは、アヤックス時代に過ごしたオランダで数日間の休暇を満喫した。その効果があったのか、28日のアスレティック・ビルバオ戦ではいつにも増して溌溂としたプレーを見せた。
しかし、左サイド寄りを主戦場とするチーム内での役割に変化はなく、ペナルティーエリア内での存在感も低いまま。A・ビルバオ戦も放った枠内シュート数は1本のみにとどまった。
MSN解体後も、スアレスはゴールゲッターとしての真価を発揮しつづけることができるのか。大親友メッシとのCF受難の歴史に完全に終止符を打つ戦いは、これからも続いていくことになりそうだ。
文:ジョルディ・キシャーノ(エル・パイス紙/バルサ番記者)
翻訳:下村正幸
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