前代未聞? メッシの「試合中の勧誘」でパウリーニョがバルサ移籍

カテゴリ:メガクラブ

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2017年10月31日

攻守でインテンシティーを発揮する。

6月の親善試合でメッシ(左)はパウリーニョ(右)をバルサに誘っていた。(C)Getty Images

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 パウリーニョはバルセロナに相応しいプレーヤーだ。今やそれに疑問を挟む声はない。
 
 今夏にこのブラジル代表MFがバルセロナに降り立った時点では、悲観論ばかりが先に立っていた。一度はヨーロッパのトップレベルを去って中国に「出稼ぎ」に行った29歳に4000万ユーロ(約52億円)も支払うなんてクレイジーだ、馬鹿げている、という声が飛び交っていたものだ。
 
 にもかかわらずそのたった2か月後には、最も悲観的だった人々すらも諸手を挙げてパウリーニョを讃えている。ここまで公式戦12試合に出場して攻守にインテンシティーを発揮し、さらに3得点・1アシストを挙げている。10月28日のアスレティック・ビルバオ戦でも、92分にダメ押しゴールを流し込んで勝利に貢献した。
 
 興味深いのは、そのパウリーニョ獲得をクラブに強く進言したのが、他でもないリオネル・メッシだったという事実だ。
 
 6月9日のブラジル対アルゼンチン戦(親善試合)。ブラジルがFKを得た時にボールの前に立ったのは、ウィリアンとパウリーニョだった。そこに突然後ろから近づいたメッシが、パウリーニョの耳元でこう囁いたのだ。
 
「バルセロナで一緒にやらないか? いいだろ?」
 
 パウリーニョがどう返事したかは言うまでもないだろう。
 
「もし獲ってくれるなら喜んで行くさ!」
 
 こうしてパウリーニョは中国からバルサへの移籍という、かつて例がないディールの主人公となった。そして今は、メッシと共にプレーし、悲観的だった連中を黙らせるプレーを続けている。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
 
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