【現役の眼】元日本代表MF、橋本英郎が考える「高体連とクラブユースの是々非々」

カテゴリ:Jリーグ

橋本英郎

2017年10月30日

止(や)めれる選手は良い選手──。印象的な言葉だった

ハリルジャパンにも井手口陽介(写真右)や倉田秋らアカデミー出身者を輩出。ガンバ大阪ユースはいまだ育成の名門だ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 まずは1点目。鬼になっている選手よりボールを回している選手のほうが多いので、かならずパスコースができます。そのコースをしっかり見つけられるか。
 
 2点目は、狭い局面でも止める、蹴るの質を高め、良い身体の向き、ポジションを取らなければボールがちゃんと回らないため、キックの質、トラップの質の向上に繋がります。
 
 3点目。ひとりで守備をする場合、いかにして相手のボール回しを誘導して取れるようにしていくか。ふたり、3人の場合は、ファーストアタック、セカンドアタックの連携を取ったボール奪取ができるかなど、局面でのボールカットの能力向上に直結します。
 
 ドリブルの選択肢がないトレーニングなので、それは短所かもしれません。でも伝統的にガンバの下部組織が良いパス回しをできているのは、このあたりが影響しているように思います。
 
 止(や)めれる選手は良い選手。指導を受けていた頃、こんな言葉をかけられたのが印象的でした。
 
 ボールをしっかり思い通りのところに止めて、次の選択肢が多数あるなかでも、相手選手に読まれたり、選択が間違いだと気付く時があります。そこで、蹴ろうとしていたプレー判断、ドリブルを仕掛けようとする判断を瞬時に変更して、違う選択を行なえるか。この言葉には、深い意味があります。これに気づける選手が、ガンバの育成選手には多いと思います。
 
 最近はどのクラブでも、すべての年代で一貫した教育を施すのが当たり前になってきましたが、ガンバはその点において、どこよりも早い段階から確固たるスタイルを築いていたように感じます。
 
 そのスタイルはトップチームの監督が代わっても変化しません。育成年代でスカウトする際の基準も明確になっていると思います。
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