【現地発】カシージャスはなぜ「不良債権」になったのか?

カテゴリ:ワールド

エル・パイス紙

2017年10月29日

手応えを感じていた矢先の残酷な仕打ち。

36歳ながら良好なフィジカルコンディションを保っているカシ―ジャス。代表復帰とW杯出場のためにも、1月にも新天地を求めるか?(C)Getty Images

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 フィジカルコンディションは近年でもベストの状態にあるカシ―ジャスは、スペイン代表への復帰、そしてロシア・ワールドカップ出場を今シーズンの第一目標に掲げる。数か月前から全体練習の合間を縫ってジムでフィジカル強化を目的とした独自のトレーニングに励み、体重の減少や身体のキレの向上といった部分でその成果を実感。ロペテギ監督にアピールするために手応えを感じ始めていた矢先、ポルトで定位置を失った。
 
 実は今夏のカシ―ジャスには、移籍という選択肢を持っていた。事実、イタリア、ドイツ、イングランドの各クラブへの移籍の可能性を模索している。しかし結局は正式オファーが届かず、言うなれば次善の策としてポルト残留を決めていた。
 
 しかし、UEFAから厳しい財政チェックを義務付けられる中、カシージャスに今まで通り高額の年俸を支払い続けるという矛盾した状況が、開幕から数か月たった今の段階でのスタメン落ちという形での騒動に発展。カシージャスに代わってゴールマウスを守るジョゼ・サは、24歳の若手(彼もまたメンデスのクライアントだ)で、ポルトは昨シーズンの時点から正守護神を任せるため英才教育を施していた。そんな中でのカシージャスの残留決断は、彼らからすれば青天の霹靂だったのだ。
 
 もちろん最終決定権を持っているのは、監督のセルジオ・コンセイソンだ。今回のカシージャスの先発落ちについては、関係者の間でも「クラブからの圧力はなく指揮官が独断で決めたもの」と語る者もいれば、「選手時代から慕っているジョルジ・ヌーノ・ピント・ダ・コスタ会長への恩義を貫くための決断」という見方をする者もいて見解が分かれている。
 
 いずれにせよ、クラブの財政危機のメッセージを受け取った指揮官が、毅然とした態度で事態に対処したというのが真相だろう。そしてその決断とは、突然のベンチ降格というカシージャスにとっては余りにも残酷な仕打ちであった。1月の移籍市場でなにか動きがあっても不思議はない。
 
文:ディエゴ・トーレス(エル・パイス紙)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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