【現地発】カシージャスはなぜ「不良債権」になったのか?

カテゴリ:ワールド

エル・パイス紙

2017年10月29日

指揮官は「戦術的な理由」と説明するが…。

世間を驚かせたカシ―ジャスのポルト移籍を主導したのは、世界屈指の敏腕代理人であるメンデスだった。(C)REUTERS/AFLO

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 36歳となったカシージャスがポルトで直面している試練を論じる際に、引き合いに出されるのが、なぜメンデスに移籍交渉を一任したかという疑問だ。メンデスは冷遇を受けたモウリーニョの代理人も務める。カシージャスの父ルイスは、息子の決断の知らせを耳にし、思わず頭を抱えたという。
 
 カルロ・クトロピアをはじめとする取り巻きの顧問は当初、移籍先をポルトに選んだ決断を概ね好意的に受け止めてはいた。しかしあれから2年半が経過し、カシージャスはサブに降格。最大の理解者だったロペテギもいない。「完全な不良債権」というのが、現在のカシージャスがポルトで受けている扱いだ。
 
 直近4試合連続スタメン落ちしているカシージャスについて、セルヒオ・コンセイソン監督は、「戦術的な判断」と理由を語っている。もっとも、その公式見解が真意であるかどうかは大いに疑わしい。事実、ポルトの関係者によると、今シーズンのカシージャスは開幕以来、低調どころか安定したパフォーマンスを見せており、今回のベンチ降格の決断の裏には、スポーツ面とは異なる理由が隠されているという。なにしろ枠内シュートのセーブ率は、1年目(68%)、2年目(78%)、3年目(81%)と年々上昇しているくらいなのだ。
 
 さらに同じ関係者によると、この指揮官の決断は、冬の移籍市場がオープンする1月に自主退団を求めているクラブの方針を後押ししたものだという。背景には一向に好転しない深刻な財政難がある。カシージャスは手取りで約500万ユーロ(約6億5000万円)の年俸を受け取るチーム一の高給取りなのだ。
 
 そもそもカシージャスとポルトの契約期間は2年だったが、一定の出場試合数をクリアしたことにより1年間自動延長されるという条項に従って、今夏残留が決定していた。しかし、ポルトの本音は違った。内心ではチーム一のベテラン高給取りをリストラしたかったところだが、その契約条項の存在がネックとなって仕方なく残留の決断を受け入れたのだった。
 
 深刻な財政難に陥っているポルトは現在、UEFAの厳しい監視下にある。今年6月にはファイナンシャル・フェアプレー違反で、罰金とチャンピオンズ・リーグ(CL)登録人数の制限(通常25人→22人)という処分を科された。さらに過去2年、5100万ユーロ、3500万ユーロと変遷していた年間赤字を、2018年には2500万ユーロ以下に抑えることを厳命されている。
 
 カシージャスは先発外となったCLのRBライプツィヒ戦の後、親しい友人に「監督の決断の理由がまったく理解できない」と打ち明けたという。
 
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