【甲府】キーワードは「回避」。プロビンチャが残留へ向けて選択した方法論とは?

カテゴリ:Jリーグ

大島和人

2017年08月28日

「賢いパスワークの構築」に手間暇をかけた甲府の選択がどう出るか?

 甲府の元監督である城福浩氏はかつて「いいカウンターをするためにポゼションがある」という”金言”を口にしていた。逆もまた真なりで、川崎戦の甲府はいいカウンターがいいポゼションを生んだ。
 
 阿部は振り返る。
「ドゥドゥがずいぶんと裏に飛び出して、相手も嫌がってラインを下げた。中盤のところでスペースができて回せるようになっていたと思う。その駆け引きが上手くいった」
 
 J1は残り10試合。甲府は勝点21の15位と、J2降格の瀬戸際にいる。川崎戦で2ゴールを挙げたとはいえ今季の14得点はJ1最低だ。ただし開幕前を振り返れば、甲府は降格候補の筆頭だった。そんなクラブが耐えるだけでなく、川崎をチクチクと針で刺すくらいのことはできるようになった。
 
「賢いパスワークの構築」はフットボールにおける典型的な長期的テーマ。そこに手間と時間を使ったことは、残留争いが予想されるクラブにとってあまりない選択だ。甲府は順位が近いクラブと違って、大物の補強や監督の交代といった激しい変化がない。そもそも補強については資金的な問題で「できなかった」という方が正しい表現だろう。
 
 ともかく甲府は変化でなく継続という選択をした。攻撃の連係を上げる地道な取り組みで、プロビンチャは残留争いの山場に立ち向かおうとしている。
 
取材・文:大島和人(球技ライター)
 
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