50歳を迎えた永遠のサッカー少年。「いつか『職業:カズ』って書けるようになりたいね」

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2017年02月27日

「ゴールに対する伸びしろはまだあると信じてます」。

J2開幕戦でチームは勝利を掴んだものの、自身は無得点に終わった。50歳のストライカーはあくまで「ゴールにこだわる」。(C)SOCCER DIGEST

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 以前、横浜FCの練習を見学していた時、これは吉本新喜劇だな、と感じたことがある。意図せず非礼に伝わったのならお詫びするが、私はそこで唸った。
 
 吉本新喜劇には絶対的スターの座長がいて、彼を主役にハチャメチャなストーリーが展開される。だが、座長はおいしいところを独り占めしてはいけない。脇役たちの一撃必殺のギャグを巧みに引き出し、とりわけ若手をいじり倒してチャンスを与え、才能を開花させなければならない(大袈裟だが)。変化と進化を追求できなければ、客はやがてマンネリを感じ、飽き飽きしてしまう。
 
 キング・カズは、生粋の座長だ。オーラもカリスマ性も図抜けている。しかし当人は、ぐいぐいと若手や仲間を牽引するわけではない。むしろ並走している。つねに懐深く構え、若手や仲間のポテンシャルを引き出して輝かせることで、みずからも光輝くのだ。そんな名座長がいるチームは、ラッキーとしか言いようがない(川崎フロンターレの中村憲剛も名匠ではないだろうか)。
 
 そしてそのアプローチはファンに対しても、ファンへの窓口であるメディアに対しても変わらない。大きな愛で包んでくれる。愛されないわけがない。
 
 日本代表の内田篤人や香川真司らと交流する「カズ会」が有名だが、あれだけ年の離れた後輩に慕われるOBは他にいないだろう。もはやLIVING LEGEND(生ける伝説)にして、LIVING LEGACY(生ける遺産)である。
 
「どれだけ貪欲になれるか。ゴールに対する伸びしろはまだあると信じてます。それもこれも、周りに活かされてるからこそできることなんですけどね」
 
 そこに、カズがいる幸せ。いつまでも噛みしめていたいものだ。
 
文:川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
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