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【コラム】ボヌッチとアッレグリの軋轢でユーベの「鉄の結束」にヒビ? しかし歴史を見れば…

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2017年02月24日

夏にはアッレグリかボヌッチのどちらかがチームを去る?

指揮官とディフェンスリーダーの軋轢という火種を抱えたユーベ。主将ブッフォンのリーダーシップが改めて問われるか。(C)Getty Images

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 ポルト戦の前日会見でアッレグリ監督はこうコメントしている。
 
「ボヌッチは観客席に行く。チームとクラブ、そしてサポーターに対するリスペクトを欠いた振る舞いをした以上、これが正しい処分だ。私が決断を下した。これでこの問題は終了だ」
 
 さらに会見に同席した主将のジャンルイジ・ブッフォンも、この一件について次のように語っている。
 
「競争が激しいチームではよく起こるエピソードだ。誰もがチームの勝利に最大限の貢献をしたいと思っているが、時にはそれが叶わないことがある。そういう時に状況を受け入れられなくなることは誰にでもある。レオナルドはチームとクラブのことをすごく大切に思っている。とても頭のいい奴だし、強い責任感の持ち主なので、どんな決断も受け入れるだろう」
 
 ポルト戦終了後、観客席からロッカールームに下りたボヌッチは、そこで初めてチームに対し、自らの振る舞いについて公に謝罪したと報じられている。
 
 アッレグリ監督はこの勝利によって、ボヌッチを観客席送りにするという処分に対する批判を封じ込めただけでなく、途中交代で投入した2人(ピアツァ、D・アウベス)が相次いでゴールを挙げるという幸運もあって、自らの権威と手腕を改めて内外に印象づけたように見える。
 
 とはいえ試合翌日以降のマスコミ各紙は、ボヌッチとの対立は完全に解決したわけでなく、クラブ首脳、そしてブッフォンやバルザーリらチームリーダーたちの執り成しによる「一時的な停戦」という色合いが強いものだとして、シーズン終了後にはアッレグリかボヌッチのどちらかがチームを去ることは必至、そして去るのはおそらくアッレグリだろう、という観測を流している。
 
 スクデット6連覇、コッパ・イタリア3連覇、そして悲願のCL制覇という3つの目標を目の前にして、ユーベが伝統として誇ってきた「厳格な規律に基づくチームの結束」にヒビが入ったのだとすれば、それは由々しき事態である。
 
 とはいえ、内部にそうした対立や感情のもつれを抱え込みながらも、ピッチの上では勝利というより大きな利害の下に団結して偉大な結果を残したチームが歴史上に数多くあることも事実。より重要なのは、今のユーベがそれを成し遂げられるのかということのほうだろう。
 
文:片野道郎
 
【著者プロフィール】
1962年生まれ、宮城県仙台市出身。1995年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中だ。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させている。『ワールドサッカーダイジェスト』誌では現役監督とのコラボレーションによる戦術解説や選手分析が好評を博す。ジョバンニ・ビオ氏との共著『元ACミラン専門コーチのセットプレー最先端理論』が2017年2月に刊行された。
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