珍しく弱気なC・ロナウドに、盟友ペペがかけた心に刺さる言葉とは?

カテゴリ:メガクラブ

ヌーノ・ルス

2016年12月15日

誰よりもストイックなC・ロナウドは、これからも――。

ピッチ上だけでなく、日常からストイックに取り組んでいるC・ロナウドは、これからもトップアスリートとしてフットボール界に君臨し続けるのか? (C) Getty Images

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 そう、ペペの言葉は正しかった。
 
 彼は昔から、代表でもクラブでもクリスチアーノの日常を見てきた数少ない人間だ。
 
 誰よりも全力で練習に取り組むクリスチアーノを、歴代の監督すべてが口を揃えて絶賛してきた。食事は常に栄養のバランスが取れ、身体に良くないとされる食べ物はもちろん、アルコールもほとんど口にしない。
 
 午後は昼寝を欠かさず、夕食前にはなにがあっても、自宅のジムで汗を流す。自慢のそのジムには最新機具がズラリと並び、試合後は酸素カプセルで疲労回復に努める。
 
 睡眠時間は毎晩きっちり8時間。その質にもこだわっていて、専門家の指導を受けながら最高の眠りと休息を追求している。
 
 近くから見ていると、ストイックすぎるくらいだ。こうした彼の日常を知るペペは、だからこそ自信をもってあの言葉をかけたのだ。
 
 そして2017年を迎えようとしているいま、31歳のクリスチアーノは依然として世界最高の選手であり続けている。この調子で行けば40歳までプレーできるだろうと、パーソナルトレーナーはそう太鼓判を押す。
 
 彼と会った数週間後、私はいつものようにマドリーの試合にテレビのチャンネルを合わせた。対戦相手はアトレティコ・マドリー。クリスチアーノはそのマドリード・ ダービーでハットトリックを決め、チームを勝利に導いた。
 
 試合後、ジネディーヌ・ジダン監督は言った。
 
「クリスチアーノは今夜、(今年の)バロンドールに相応しいのは誰かという議論に、終止符を打ったんだ」
 
 クリスチアーノはこれからもゴールを決めるだろう。
 
 誰よりも熱心にトレーニングに打ち込み、休む時にはしっかりと身体を休め、時に過激な発言をしては、フットボールの世界に君臨しつづけるはずだ。
 
 そして私は、友人を思いやったあのペペの言葉を想う。
 
 30代のクリスチアーノ――。その先にある物語を、私はペペと一緒にずっと楽しむつもりだ。
 
文:ヌーノ・ルス
翻訳:豊福晋
 
【著者プロフィール】
ヌーノ・ルス/ポルトガルの民放局『SIC』の記者で、スペイン『マルカ』 紙のポルトガル通信員も務める敏腕。クリスチアーノ・ロナウドやジョゼ・モウリーニョ監督、この2人をマネジメントする超大物代理人のジョルジュ・メンデスというポルトガル・サッカー界の最重要人物たちと親密な関係を築き、抜群の取材力でその人物像を描き出し、ニュースの裏側をえぐる。
 
※ワールドサッカーダイジェスト2016.12.15号より加筆・修正
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