創業以来、最初で最後の『生産レーンストップ事件』とは?
――樋口選手は、タイで3つの異なるディヴィジョン(PLT/ディヴィジョン1/ディヴィジョン2)でプレーした経験を持つ貴重な日本人選手です。
ディヴィジョン間格差は半端ないですよ~。環境面で言えば、PLTに裕福なクラブも多く、Jリーグクラブにも引けを取らないレベルの施設を自己保有しているところも多いです。移動用のチームバスも豪華だし、勝利給だってもらえます。反対にディヴィジョン2は、地方に物凄い数のチームが点在していて、アマチュアリーグの位置づけなんです。
水シャワーのみの小汚いロッカーに、芝生が剥げた土グラウンドばかり。しかもこの灼熱のタイで『試合開始が15時』って自殺行為ですよ。そんな感じでレギュレーションがイージーな部分が多いんです。ただ個人的にハード面は重要でなかったんです。さっきもお話ししたようなチームが持つビジョンや雰囲気を重視して、チームを選んできたつもりです。
――樋口選手は、タイ人と一緒に仕事をする意味をどう感じていらっしゃいますか?
タイ人はシーズン終盤戦になってきて優勝や降格が掛かったポジションに居ないとダラける傾向が強いんです。要は、モチベーションを保つのが上手くないんですよ。日本では『最後までやりきる』というのがひとつの美学だと思うのですが、彼らは気質というか、『苦しくなったら辞める、やりたくなければやらない』なんです。私がTPL(現PLT)でプレーしていた時に、ACLに出たい、ベストイレブンに選ばれたい、といった目標があって頑張っていましたが、彼らはそうじゃない。タイの歴史や文化から受け継がれているマインドなのでしょうが、仕事としてサッカーをやっている以上、そういった彼らの緩く弱い部分は、私からすれば苦痛であり、日々の葛藤でありましたよ。
――所属のタイ・ホンダFCは、名前の通り日系企業が母体のチームです。多くの日本人スタッフ、日本人選手も在籍されていますが、それが組織を形成する上で良い方向へ働いたでしょうか?
一昨年、昨年と2シーズン、日本人監督(滝雅美氏/現タイ・ホンダFCゼネラルマネージャー)によって守備をしっかりするチームの基盤が作られて、今年はタイ人監督になって、それまでのベースは残しつつ、タイ人が持っている自由な発想が上手く融合されました。それで得た結果が、3シーズンでのPLT昇格につながったかなと思っています。
――以前、チーム運営費の予算がタイクラブ全体でも上位に入る規模だと聞いたことがあるのですが。親会社のHONDAのサポートは手厚いですか?
タイ気質なんですかね、盛り上がってきたらすごく手厚いんですよ(笑)。2014年シーズンの終盤、これに勝たないとディヴィジョン1へ昇格できないという大一番で、タイ・ホンダの社長さんが『じゃあ、みんなでスタジアムへ応援に行こうじゃないか』って言ってくれたのは嬉しかったですが、工場を停止してですから(大笑)。それが以後語り継がれることになる、創業以来最初で最後の『生産レーンストップ事件』です。お陰でスタジアムへ1万人のタイ・ホンダの社員が応援に来てくださって2部昇格という良い結果が出たのですが、お客様には申し訳ございませんですよ(恐縮)。
――新設された練習場はかなりの施設だとか?
今までタイでは3つのクラブに在籍しましたが、いまの練習場がズバ抜けて良いです。タイ・ホンダ工場内にあるのですが、排水システムがしっかりしているので、雨の多いタイでも少しくらいの雨なら水溜りもできず普通に練習ができます。ただ練習グラウンドが良過ぎるので、ホームスタジアムの芝の状況が気になってしまいますけど(苦笑)。
ディヴィジョン間格差は半端ないですよ~。環境面で言えば、PLTに裕福なクラブも多く、Jリーグクラブにも引けを取らないレベルの施設を自己保有しているところも多いです。移動用のチームバスも豪華だし、勝利給だってもらえます。反対にディヴィジョン2は、地方に物凄い数のチームが点在していて、アマチュアリーグの位置づけなんです。
水シャワーのみの小汚いロッカーに、芝生が剥げた土グラウンドばかり。しかもこの灼熱のタイで『試合開始が15時』って自殺行為ですよ。そんな感じでレギュレーションがイージーな部分が多いんです。ただ個人的にハード面は重要でなかったんです。さっきもお話ししたようなチームが持つビジョンや雰囲気を重視して、チームを選んできたつもりです。
――樋口選手は、タイ人と一緒に仕事をする意味をどう感じていらっしゃいますか?
タイ人はシーズン終盤戦になってきて優勝や降格が掛かったポジションに居ないとダラける傾向が強いんです。要は、モチベーションを保つのが上手くないんですよ。日本では『最後までやりきる』というのがひとつの美学だと思うのですが、彼らは気質というか、『苦しくなったら辞める、やりたくなければやらない』なんです。私がTPL(現PLT)でプレーしていた時に、ACLに出たい、ベストイレブンに選ばれたい、といった目標があって頑張っていましたが、彼らはそうじゃない。タイの歴史や文化から受け継がれているマインドなのでしょうが、仕事としてサッカーをやっている以上、そういった彼らの緩く弱い部分は、私からすれば苦痛であり、日々の葛藤でありましたよ。
――所属のタイ・ホンダFCは、名前の通り日系企業が母体のチームです。多くの日本人スタッフ、日本人選手も在籍されていますが、それが組織を形成する上で良い方向へ働いたでしょうか?
一昨年、昨年と2シーズン、日本人監督(滝雅美氏/現タイ・ホンダFCゼネラルマネージャー)によって守備をしっかりするチームの基盤が作られて、今年はタイ人監督になって、それまでのベースは残しつつ、タイ人が持っている自由な発想が上手く融合されました。それで得た結果が、3シーズンでのPLT昇格につながったかなと思っています。
――以前、チーム運営費の予算がタイクラブ全体でも上位に入る規模だと聞いたことがあるのですが。親会社のHONDAのサポートは手厚いですか?
タイ気質なんですかね、盛り上がってきたらすごく手厚いんですよ(笑)。2014年シーズンの終盤、これに勝たないとディヴィジョン1へ昇格できないという大一番で、タイ・ホンダの社長さんが『じゃあ、みんなでスタジアムへ応援に行こうじゃないか』って言ってくれたのは嬉しかったですが、工場を停止してですから(大笑)。それが以後語り継がれることになる、創業以来最初で最後の『生産レーンストップ事件』です。お陰でスタジアムへ1万人のタイ・ホンダの社員が応援に来てくださって2部昇格という良い結果が出たのですが、お客様には申し訳ございませんですよ(恐縮)。
――新設された練習場はかなりの施設だとか?
今までタイでは3つのクラブに在籍しましたが、いまの練習場がズバ抜けて良いです。タイ・ホンダ工場内にあるのですが、排水システムがしっかりしているので、雨の多いタイでも少しくらいの雨なら水溜りもできず普通に練習ができます。ただ練習グラウンドが良過ぎるので、ホームスタジアムの芝の状況が気になってしまいますけど(苦笑)。