「Bリーグ」から「Jリーグ」が学べること。“スター不在”の状況で人の心を掴むには?

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年09月29日

観客動員に苦しむJリーグ。選手と観客の一体感を生むうえで、“割と”重要な「選手紹介&入場セレモニー」。

駒場スタジアムでの浦和サポーターによる紙吹雪は、選手とサポーターの一体感を生み出す大きな効果を生んでいた。(C)SOCCER DIGEST

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最新の吹田スタジアムでは、クラブとサポーターが楽しみながら試合の盛り上げ方を模索していることが伝わってくる。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 一方で、そんなことを言っていたらお客さんなんて来てくれないよと、斬新なイベントを打ち出すクラブも増えつつある。それでもJ1とJ2に所属してきたある地方クラブの広報担当者は、「集客を呼びかけるのはもちろん大切。しかしクラブ側がより前に出すぎてしまうと、結局、固定ファンの獲得にはつながらない。やはりサポーターの皆さんの自主性に委ねるところが大きいと言える」と、ジレンマを抱えていることを明かしていた。
 
 おそらく観客の“心を掴む”ために、Jリーグやクラブ側が仕掛けられる場面は限られる。そのなかで“割と”重要なのが、キックオフ直前の選手紹介と入場のセレモニーではないだろうか。Bリーグが徹底して力を注いでいるところだ。
 
 主役である選手が登場。試合開始の瞬間に向けて、選手も観客もテンションが一度最高に達するこの時間は、スタジアムにいる人の心をひとつにするチャンスでもある。初めて競技場に来た人が、ここで心を震わせられるかどうかは、もしかするとリピーターになるかどうかのポイントなのかもしれない。
 
 駒場スタジアム(現・浦和駒場スタジアム)での選手入場時の紙吹雪に痺れ、それからずっと浦和を応援し続けているサポーターは少なくない(その演出もサポーターの自主性から生まれたものだったが)。浦和市内のとある飲食店の店主は「ぶっちゃけ選手は誰でも好きで、なにより浦和レッズが大好きなんです」と、“サポーター”の気持ちを代弁するように言っていた。
 
 これまで北海道から九州まで、いくつものJリーグクラブの選手入場&入場シーンを見てきた。最新の電光掲示板などを設備しているところは、いろいろな試みをしているように思う。念願の市立吹田サッカースタジアムを手に入れたG大阪サポーターは楽しみながら、試合前の盛り上げ方を模索しているように見える。“伝統”を重んじているところもあれば、数年ごとに変更しているところもある。
 
 なかでも好評を博しているのが、湘南ベルマーレの入場セレモニーだ。観客との一体感を作り出すことにこだわりを見せ、湘南乃風のアップテンポな曲「SHOW TIME」が流れるなか、ゲームの「太鼓の達人」を真似た画像を映し出して拍手をするタイミングを促し、試合開始へのカウントダウンも格好良く面白く演出している(入場シーンの音楽もオリジナルにすればさらに格好良いのに! と個人的には思う)。タレントの平畠啓史さんも『サッカーダイジェスト』誌の連載コラムで絶賛していた。
 
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