「史上最高額移籍」の秘話。ユーベとマンUが合意後、ポグバが一瞬の躊躇を…

カテゴリ:移籍情報

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2016年08月29日

ポグバはディバラらの説得にほだされて…。

ディバラ(右)など同僚に「あと1年残って一緒にやろう」と説得されたポグバ(右)は、土壇場で儚い希望を抱いた。(C)Getty Images

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 ライオラとマンチェスター・Uの最初の接点は、クライアントであるズラタン・イブラヒモビッチとヘンリク・ムヒタリアンの移籍をめぐる交渉だった。この話が進展するなかで両者の間には密接な関係が出来上がり、ポグバの買い戻しへと発展していった。
 
 6月半ば過ぎに2人の移籍話がまとまって以降、ライオラはポグバの売り込みに専念した。ユーベとマンチェスター・Uの最初の話し合いをセットしたのは、EURO2016終了後すぐのこと。大会期間中にポグバの気が散るようなことはあってはならないと考えていたからだ。
 
 それまでにまずマンチェスター・Uとの間で個人の条件面をまとめ、そのうえでクラブ間の話し合いを手配したわけだ。それがどこで行なわれたかは分かっていない。イタリア国内だという事実は分かっているので、おそらくモナコとトリノの間にあるどこかの街だったのだろう。
 
 話し合いにはライオラ、ユーベのマロッタとファビオ・パラティチSD、そしてマンチェスター・UのウッドワードCEOが参加し、マンチェスター・Uがユーベに対して1億100万ユーロ(約121億円)をオファーした。
 
 これは、ライオラもマンチェスター・Uも、そしてもちろんユーベも、ガレス・ベイルの史上最高額を塗り替える移籍を実現したかったからだ。
 
 ユーベは当初「それでは少な過ぎる、1億2000万ユーロ(約144億円)以下で手放すつもりはない」と突っぱねて見せたとはいえ、もちろん実質的に他に競合がいないという状況でこれ以上の条件を引き出すのは不可能だ。それが分かっているユーベは最終的に、間を取った1億1000万ユーロ(ボーナス込み)という金額で手を打った。
 
 ポグバ自身は当初から移籍には同意していた。だが、最後になって少しだけ躊躇する場面もあった。というのも、ユーベのロッカールームでは昨シーズン終了後、「今夏は主力全員がチームに残って今度こそチャンピオンズ・リーグ制覇を目指そう」という約束が交わされていたからだ。
 
 もちろん、この約束はなんの拘束力もない紳士協定のようなもの。しかし、クラブがミラレム・ピャニッチ(ローマから)、さらにはゴンサロ・イグアイン(ナポリから)などを獲得して戦力をさらに強化したのを受けて、パウロ・ディバラをはじめとするチームメイトが次々とポグバに、「あと1年残って一緒にやろう」というメッセージを送り始めた。
 
 ポグバはそれにほだされてか、「契約書にはサインするが、あと1年ユーベに残ってプレーできれば……」という儚い希望を持ち始めたらしい。
 
 もちろん、ジョゼ・モウリーニョ新監督がそんな条件を受け入れるはずがなく、すでにマンチェスター・Uと話をつけていたライオラもそれに応じるわけにはいかなかった。

 ライオラが7月半ば過ぎ、珍しくモンテカルロを離れてマイアミに飛んで数日を過ごしたのは、バカンス中のポグバに直接会って最終的に説得するためだったと、私は見ている。
 
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