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湘南前社長の大倉智が立ち上げた新クラブ。「いわきFC」が提唱するサッカーの本当の価値とは?

カテゴリ:Jリーグ

手嶋真彦

2016年07月21日

負けても感動」を追求したベルマーレ時代の手応えが――。

ベルマーレのような市民クラブのJ1定着は難しい。結果に振り回されるなと大倉は説く。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 涙が込み上げてきたのは、300人を超えるサポーターを前にしてマイクを握っていた時だ。15年12月まで、大倉は湘南ベルマーレの代表取締役社長だった。「不覚にも泣いてしまった」のは、クラブが定期開催しているサポーターとの対話の場で、最後の挨拶をしている最中だった。
 
「今の自分があるのは、やっぱりベルマーレがすべてなんでね。皆さんに感謝していますって話をしながら、グッときちゃって」
 
 ベルマーレのフロントで11年強を過ごした大倉は、強化部長からゼネラルマネジャーを経て、社長になった経歴を持つ。新天地を求める大倉を快く送り出そうと、会場のサポーターからはそんな空気が感じ取れた。「新たな挑戦をしたいという思いと、申し訳ないという気持ちがどちらもあって、それを正直に話しました。すると、頑張ってくださいっていう声のほうが大きくて」
 
 ベルマーレ時代の大倉が監督や選手に求めていたのは、試合に負けても感動してもらえるような面白いサッカーだった。サポーターの支持が最初から得られたわけではない。結果が伴わない間は、批判や解任要求の声も聞こえてきた。
 
 しかし、大倉の信念は揺るがなかった。湘南スタイルという理想を掲げ、プロクラブの存在意義を伝える努力を惜しまなかった。お客様を感動させるサッカーを追求していれば、必ず結果もついてくる。そう信じ、走り続けているうちに、ベルマーレはJ2からJ1に昇格。サポーターの反応にも変化が見られるようになった。
 
「中核のサポーターから、大倉さんの主張が理解できたって、言われたんです。いつの間にかサポーターのほうが内容に敏感になっていて、今日の試合は躍動してなかったよねとか、こんなのオレたちのスタイルじゃないよって。プロセスに目が向くようになっていましたね」
 
 確固とした理念を掲げて、それを貫き通せば、サポーターにもこれだけ浸透していく。そうした実践への大きな手応えこそ、大倉がベルマーレで掴んだ何よりの成功体験だったのかもしれない。
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