トゥベンテ戦後、三戸はオランダでの１年半をこう振り返った。
「自分らしいプレーができたのはこの半年だけだったと思う。去年１月にオランダに来て、最初の半年は試合に出ていたけれど納得できるプレーではなかった。１年目は、ただ出てるだけという感じでした。今季の前半戦はベンチでした。やっと年末ぐらいから試合に出られるようになった。オランダに来てから今、やっと自分をちゃんと表現できているかなと思います」
――「自分らしいプレーができている」とは？
「日本でやっていたようなプレーを、ようやくオランダでもできるようになってきた、という感じです」
オランダで三戸が自分らしさを発揮している時期と、スタインがスパルタの監督を務めている時期はちょうど被さっている。ちなみに三戸の今季５ゴールのうち、スタインがスパルタに来てからのゴールが４つある。
「やっと自分を表現できている」オランダに降り立って１年半、22歳アタッカーは“日本人好き監督”の下でバージョンアップを遂げた「いろいろといじってくる」【現地発】
カテゴリ：海外日本人
2025年05月06日
「自分らしいプレーができたのはこの半年だけだった」
三戸との試合後のインタビューが終わった。スタイン監督はまだ息子のセム（トゥベンテ）と並んでテレビのインタビューを受けていた。しかし私がミックスゾーンを出ようとすると、視線を私の方に移し、とびっきりの笑顔で大きく手を振ってくれた。やはりスタイン監督の日本人好きは筋金入りのようだ。
三戸がオランダで殻を破りつつあるのは、本人のたゆまぬ努力の賜物だろうが、スタイン監督からの信頼と期待を感じていることもひとつあるのではないだろうか。
取材・文●中田 徹
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